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サポート校は通信制高校を3年間で卒業できるよう、レポート学習からメンタル面まで幅広くフォローしてくれる通信制高校専用の塾のようなものです。高卒資格を取るために提携している通信制高校にも入学する形になり、この仕組みによって通信制高校とサポート校の両方に学費が発生します。そのため、多くの方が「サポート校はお金がかかる」というイメージを持っているようです。
しかし、そのイメージは本当に正しいのでしょうか。サポート校を利用するメリットや学費の仕組みについて日本航空高等学校の野村理恵先生にお話を伺いました。
近年、通信制高校は全国で増え続けています。ただ、学校が開設されるのは県庁所在地や人口の多い都市部に限られており、学校と家の距離が離れていると生活面やメンタルまで丁寧にケアするのは難しくなります。通信制高校に通っている生徒の中には起立性調節障害で毎朝起きるのが大変な子や不登校の経験がある子もいます。都心の学校に時間をかけて通うより、住み慣れた街のサポート校で手厚いケアを受けながら卒業を目指した方が負担は少ないはずです。そのため、「自宅から通いやすい、地域に根差したサポート校で支援を受けられる」という点が最大のメリットです。
日本航空高等学校の通信制課程は山梨・東京・北海道にキャンパスがあり、レポートは専用アプリからオンラインで提出できますが、学習のサポートだけではなく生活面のケアや保護者との面談など1人ひとりにしっかり向き合ってくれるサポート校の存在は私たちにとっても心強く、安心できます。
いまは学校のように部活動や委員会活動が活発だったり、音楽などの専門授業に力を入れていたり、サポート校にもさまざまな特徴が生まれているので、ぜひ自分に合っているサポート校を見つけてください。
サポート校に通う場合、高卒資格を取るために提携する通信制高校にも同時に入学することになります。これはサポート校と通信制高校の学費がどちらも必要になるということです。
この一面だけを見ると「サポート校に通うと学費が高くなるんだ…」と思うかもしれません。しかし、サポート校の利用を前提としている通信制高校は生徒のケアをサポート校にも任せていることから学費を安く設定しています。一方、週5日登校のコースがあるような手厚いケアが魅力の通信制高校はサポート校の利用を前提としていない分、さまざまなオプションが用意され、オプションを加えることで学費は高くなります。その結果、「通信制高校+サポート校の学費」と「手厚いケアをしてくれる通信制高校の学費」がほとんど変わらない、というケースが多々あります。
これはサポート面だけではなく、専門コースの場合も同じです。イラストやITなど専門分野を学べるサポート校は学費が高くなりがちですが、同様の専門コースを設けている通信制高校の学費と比較するとやはり大差はありません。
サポート校を利用するかどうかではなく、専門コースを履修するのか、修学旅行に参加するのか、といったオプションの部分で学費は変わると考えましょう。
サポート校は高校ではないので国の就学支援金は適用されません。通信制高校は単位料に対して支援金を受け取れますが、オプション費用には適用されないため支援金でもそこまで大きな差は生じません。就学支援金や奨学金は地方自治体も個別に用意しているので、それらをうまく活用することで少しでも家計の負担を抑えてください。
サポート校の学費はピンキリで、年間で120万円程度かかるところもあれば、その半額程度のところもあります。ただ、手厚いケアを受けようとするとどうしても高くなってしまうため、相談の中では「サポート校に行った方が良いのか」と聞かれることも多いです。
中学での学習状況や転学する学年にもよりますが、個人的には高卒資格を取るだけならサポート校に行かなくても良いと思います。ただ、中学時代に不登校の期間などがあり勉強が遅れている生徒にはサポート校に行くことをオススメしたいです。学校に通えるようになっても勉強の遅れからまた足が遠のいてしまうケースもあり、不本意な形で学校に通いづらくなると結局一番苦しむのは生徒本人だからです。また、難関大学の受験、専門分野の学び、海外留学などを目指す場合もサポート校を活用するメリットは大きいです。
学費は3年間払い続けなければならないものなので、生徒のできることとやりたいことを踏まえた上で家庭でじっくり話し合ってください。そして、迷った時はサポート校や通信制高校の先生にいつでも相談してください。