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通信制高校の学費は入学金、授業料、施設費などで構成されています。何が無償となるのかを知るために、学費の内訳と金額を確認してみましょう。
※学校名の記載のない学費例は、参考例となり、特定の学校の学費を指すものではありません。
入学金 |
---|
30,000~40,000円(入学時のみ) |
授業料 |
7,000~12,000円×履修単位数 |
施設費 |
20,000~30,000円(年間) |
システム管理費・タブレット費 |
30,000~40,000円(年間) |
入学金は入学時だけ、施設費とシステム管理費は毎年支払わなければならない固定費です。授業料は履修する単位数によって変動します。通信制高校は卒業するのに74単位必要なため、1年次:25単位、2年次:25単位、3年次:24単位といった形で履修するのが一般的です。
25単位履修する場合の年間授業料は7,000~12,000円×25単位で計算し、175,000~300,000円となります。そして、この授業料に就学支援金が適用され、世帯年収額に応じて減額されます。
世帯年収 | 適応範囲 | 授業料の負担 |
---|---|---|
590万円未満 | 25単位で20万円支給 | 年間授業料が20万円以下なら実質無料 |
590~910万円 | 1単位につき4,812円(定額)引かれ、差額が自己負担 | 1単位の授業料が7,000円なら2,188円が自己負担、 25単位の場合は54,700円を負担 |
910万円以上 | 就学支援金の対象外 | 全額自己負担 |
以上を踏まえると、「世帯年収が590万円未満」で「年間授業料が20万円以下」の場合に通信制高校の授業料は実質無料となり、入学金や施設費などの固定費だけを払えば高校を卒業できます。
ただ、これは学校に必ず払わなければならない分の学費です。通信制高校は通学コースの選択や修学旅行の参加がすべて任意のため、修学旅行に参加する場合などは別途費用が掛かる点に注意してください。
続いて、通信制高校の中で学費が安い学校・コースを確認しましょう。
最も学費が安いのはやはり公立の通信制高校です。就学支援金を利用すれば3年間でかかる学費が数万円程度という学校もあり、私立より圧倒的に安いです。これには理由があり、私立の通信制高校はさまざまな通学コースを設けていたり、きめ細かいケアを行うサポート校があったり、別途オプション費用が発生する場合が多いからです。
公立通信制高校のデメリットとしては、スクーリングが学校指定日に月5日~10日あり、レポートも紙での提出など登校が前提となっている点です。そこまでサポートがない分、卒業率も私立通信制高校より低いです。
私立の通信制高校の在宅・ネットコースは時間・場所・環境に左右されずに学習できることが最大のメリットです。以前は映像授業で学び、見て分からない部分があればチャットで先生に質問していました。しかし、いまはバーチャルキャンパスに登校し、そこで他の生徒とコミュニケーションを図るなどオンライン環境がさらに充実しています。
また、基本的に登校する必要がなく、学費も公立の通信制高校と比べて少し高い程度です。このコースの注意点は、スクーリング(対面授業)に参加しなければ単位を取得できないことです。年4~5日の合宿型、月数回ほど指定会場に行く場合など学校によってスクーリングの形態が異なるので、心身の状態も考慮した上で「スクーリングに参加できる学校」を選ぶことが大切です。
通信制高校には週1日から週5まで登校日数を選べる学校があります。その中で、週1日コースは「毎日通学するのは難しいけれど、学校には通いたい」と思っている生徒のためのコースです。登校日数が少ないので学費は安く、それでいて私立の通信制高校ならではの手厚いサポートを受けられる点が魅力です。週1日コースで学校に慣れたら週3日、週5日コースや専門コースに変更できる学校もあります。
勉強が遅れているけど大学進学を目指したい場合は、小学校や中学校の学び直しから受験勉強までマンツーマンで指導する通信制高校があります。また、勉強は苦手だけど得意なことがあるなら、専門スキルを身に付けて留学や起業、eスポーツなど好きなことにチャレンジできる学校もあります。
学力向上に向けて親身に面倒をみてもらえるコースや生徒一人ひとりがやりたいことをできるコースは必然的に学費が高くなりますが、全日制高校でも大学受験のために学習塾や予備校に通う場合、ダンスなどを学ぶ場合は別途費用がかかります。塾やダンスなど学校以外にかかる費用を考慮すると、トータルで考えればそこまで学費は変わりませんし、むしろ安い可能性もあります。何より、生徒のことをわかってくれている先生に面倒を見てもらうことに保護者は安心できるはずです。
不登校の克服、発達障害や知的障害への対応など、自立に向けた手厚いサポートを受ける場合も学費が高くなります。一人ひとりにあわせた個別対応、勉強の学び直し、心身のケア、進学や就職の手厚いサポートが受けられるなど、保護者の負担を減らすことができると考えれば、高いとは一概に言いにくいと考えます。
通信制高校には主にネットコースと通学コースがあり、通学コースの中でも登校日数が多くなるほど学費は高くなります。特に、全日制高校と同じように週5日登校する場合はクラスメイトと一緒に勉強し、クラブ活動や委員会活動、文化祭などの学校行事に取り組む機会が多いです。多少学費が高くなっても、毎日友達と顔を合わせて高校生活を楽しみたいのなら登校日数が多い学校を選びましょう。
通信制高校の学費の平均を知りたいという方のために、3校の学費をご紹介します。
入学金 |
---|
10,000円 |
授業料 |
10,000円×履修単位数(ここでは26単位・260,000円で計算) |
教材費 |
― |
その他 |
施設費60,000円、その他費用155,000円 |
合計 |
485,000円 |
入学金 |
---|
50,000円 |
授業料 |
10,000円×履修単位数(ここでは26単位・260,000円で計算) |
教材費 |
60,000円 |
その他 |
施設設備費:20,000円、スクーリング費:65,000円 |
合計 |
455,000円 |
入学金 |
---|
38,000円 |
授業料 |
200,000円(25単位分) |
教材費 |
7,000円 |
その他 |
施設費:24,000円(年間)、システム管理費/タブレット費:35,000円 日本スポーツ振興センター災害共済掛金:252円(年間) |
合計 |
304,252円 |
ここでご紹介した学費はあくまで参考です。履修単位数によって授業料は変わり、世帯年収によっては就学支援金が適用されます。詳しくは各学校に確認してください。
通信制高校の学費は通学コースやサポートの手厚さによって変わり、オプションを増やすと高くなっていきます。就学支援金が適用されれば授業料が減額になり、支給額を知ることで実際に払わなければならない費用感を把握できます。
大学受験の勉強や不登校の克服など、まずは自分に必要なサポートを知ることが大切です。必要なサポートを受けられる学校をピックアップし、その中で学費を比較すればサポートと学費のバランスが取れた学校選びができるはずです。
通信制高校は高卒資格を取得するが第一の目的となります。卒業単位を取得するにはレポートを提出してスクーリングに参加しなければならないので、無理なく学習できるか、スクーリングに参加できるかという点も考慮して学校を決めましょう。