通信制高校に行きたいって言えない。親の気持ちを理解して話し合おう

PICKUP 通信制高校 親の反対

通信制高校に行きたいと思っていても「親には反対されるんだろうな…」と考え、なかなか言い出せない人もいると思います。お互いが納得した上で通信制高校に入学するには、どのように伝えれば良いのか。親と話し合う時のコツを日本航空高等学校の野村先生に解説してもらいました。

親と話し合うために必要なこと

親と話し合うために必要なこと

「通信制高校に行きたいと話したら、うちの親は嫌がるかも…」
そんな風に感じている生徒は、実は結構います。親の気持ちを感じ取れるのも、これまで長い時間を一緒に過ごしてきた親子だからです。

「できれば通信制高校に行くことを応援してほしい」
そう考えるのは子どもとして当たり前です。そこで、親子できちんと話し合うためのステップを解説したいと思います。

通信制高校に行きたいと親に伝える上で、必要なことは3つあります。それは、①親の気持ちを知ること、②通信制高校について知ること、③なぜ通信制高校に行きたいのか、自分の言葉で説明できるようになることです。順番に見ていきましょう。

① 親の気持ちを知る

親が通信制高校に行かせたくないと考える理由はいくつかあります。主なところでは、「通信制高校だと甘えてしまい、毎日だらけそう」「世間の目が気になる」「非行に走るかも」というものです。子どもの立場では「通信制高校に行くことがなんで非行につながるの?」と思うかもしれませんが、通信制高校は学校によっては校則がなく、登校日数も少ないので非行に走る生徒もゼロではありません。「心配しすぎ」と思うでしょうが、それも子どものことを考えているからです。

② 通信制高校について知る

本当に行きたいのであれば、単位の取り方や卒業までの道筋など、通信制高校がどのような学校なのか説明できるくらい理解しておきましょう。

③ なぜ通信制高校に行きたいのか、自分の言葉で説明できるようになる

通信制高校にはさまざまなコースがあるので、なぜ通信制高校に行きたいのか目的を明確にしましょう。「この学校でこんなことを学びたい」と聞けば、親の方も前向きに検討してくれるはずです。

「通信制高校に行きたい理由」の伝え方

「通信制高校に行きたい理由」の伝え方

最近は多くの通信制高校がTikTokなどのSNSで情報を発信しており、SNSを見て「楽しそう」「授業が少ないから楽そう」という理由で入学する生徒もいます。しかし、「楽しそうだからこの通信制高校に行く」と話しても親は納得しません。楽しそうという理由では、「3年間だらだらと過ごして、卒業しても進学や就職ができないんじゃないか」と不安にさせてしまいます。

本気で親を説得したいなら、まずは「将来どうなりたいか」を考えてみましょう。将来の目標から逆算すれば「いまやるべきこと」が見えてきます。
「将来こんな仕事に就きたい。だから、この通信制高校に入ってこれを学びたい」と話すことができれば100点です。きっと親の方も納得してくれます。具体的な仕事までは思いつかなくても、「こんなことをやってみたいから」と話せば通信制高校に行きたい理由をわかってもらえるはずです。

「まだ将来のことなんてわからない。やりたい仕事もない」
そう思う生徒もいるでしょう。まだ将来についてわからない場合は、「やりたいことを見つけるためにとりあえず大学に進学しよう」という目標を立ててはどうでしょうか。大学に進学すればやりたいことを考える時間が4年間も長くなります。
やりたいことを見つけるために大学進学を目標に据え、どんな大学や学部に進みたいのか想像し、その大学や学部に進むために通信制高校で勉強や探究学習を頑張りたいと伝えてみましょう。

迷ったら第三者に相談してみよう

迷ったら第三者に相談してみよう

通信制高校に行きたい時は親子で話し合うのが一番良いです。とはいえ、家庭によっては一筋縄でいかないケースもあります。そんな時は、いま通っている中学校や高校の先生、行きたい通信制高校の先生を頼ってみましょう
事前に先生に相談しておき、中学や高校の三者面談、通信制高校の説明会や相談会で先生から親に話してもらうのです。特に、通信制高校の先生はキャンパスや生徒の雰囲気、進路状況などを把握しています。先生に協力してもらえば、親が抱く通信制高校へのイメージも変わるはずです。

「通信制高校に行って本当に大丈夫なの?」「全日制高校と比べたら進学や就職で不利になるんじゃない?」といまだに思っている親は大勢います。でも、長年にわたり全日制の学校で行われてきた「型にはめる教育」は世界の教育事情から見ると古いスタイルです。
世界基準では「好きなことを自由に学び、1人ひとりの個性を伸ばす教育」が当たり前。そして、通信制高校にはその環境が整っています。
通信制高校に入学したいという意思を持っているのなら、ぜひ納得いくまで親と話し合い、通信制高校で自分の好きなことを学んでください。

野村 理恵
通信制高校

学校法人日本航空学園 日本航空高等学校

副校長

野村 理恵

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