高等専修学校の気になる学費

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高等専修学校の学費はどれくらい?

1.専修学校とは実践的な職業教育や専門的な技術教育を行い、各分野のスペシャリストを育成する教育機関です。高校卒業者が入学する「専門課程」、中学卒業者が入学する「高等課程」、入学資格のない「一般過程」があり、専門課程が所謂「専門学校」にあたり、高等課程は「高等専修学校」と呼ばれています。

高等専修学校の学費はどれくらい?

2.中学卒業者を対象とする高等専修学校は学校ごとにさまざまな専門分野を学べるため学費も学校によって異なりますが、大体年間で90~100万円ほどかかります。

学費

ただ、高校と同じように高等専修学校にも世帯所得に応じて就学支援金が支給されます。就学支援金は国と都道府県で別に用意されており、学校が所在する都道府県に住んでいれば国と都道府県の就学支援金をどちらも受け取ることができます。

学費の図
①制度の詳細は異なるので、お住いの都道府県にお問い合わせください。
②世帯所得に応じて就学支援金の支給が異なります。
支給限度額
0円(非課税)(年収250万円未満程度) 24,750円/月(2.5倍加算)
~5万1,300円未満(年収250~350万円程度) 19,800円/月(2倍加算)
~15万4,500円未満(年収350~590万円程度) 14,850円/月(1.5倍加算)
~30万4,200円未満(年収590~910万円程度) 9,900円/月
※ 例:学校が東京にあり、東京都に住んでいる場合は国と都道府県どちらの就学支援金も受け取れる。学校が東京にあり、千葉県に住んでいる場合は国の就学支援金しか受け取れない。

学校の所在地と居住地によって支援金の総額が変わり、都道府県によっては合計支給額が40万円ほど変わる場合もあります。就学支援金を最大限受け取ることができれば家計の負担もかなり抑えられるため、中には入学する学校の都道府県に引っ越す人もいるほどです。

全日制高校や通信制高校と比べると高等専修学校の学費は高額に見えるかもしれません。しかし、高等専修学校は企業への研修や産学連携プロジェクトなどの特別なカリキュラムを用意し、プロ仕様の設備・機材を使うことができます。専門性の高い学びによって不登校だった生徒たちがもう一度モチベーションを取り戻せるケースもあり、「子どもの将来への投資」という面を考慮して入学を決める保護者は多いです。

専修学校だからこそ「好き」を尊重したサポートが受けられる

専修学校だからこそ「好き」を尊重したサポートが受けられる

高等専修学校(高等課程)では専門学校(専門課程)の先輩とも交流する機会があり、「好き」を通してコミュニケーションを図れます。好きなことを学べるので「ここが自分の居場所だ」と実感でき、最新の機材を使って各分野のプロ講師から教わる「中学や高校とは違う感じ」も通いやすさにつながっています。

注意点があるとすれば、どのような分野であっても技術はオンラインより対面で学んだ方がスムーズに習得できるため、高等専修学校は登校を重視しているということです。不登校校経験のある子どもをもつ保護者にとっては、登校を重視する学校に入学させるのは勇気のいる決断となります。「高い学費を払い、また不登校になったらどうしよう」と考えるでしょう。
ただ、不登校経験がある生徒に対してはできる限り不安を取り除き、休みがちになればすぐに面談を行ったり保護者会を開くなど高等専修学校ではさまざまなサポートを行っています。大学進学を目指す生徒には夏期講習などの集中講座を開催して主要5科目の学力向上を目指したり個別指導が手厚いので、「好き」という軸で学校を探すならまずは体験授業に参加し、子どもが「この学校なら通えそうだ」と思えたなら前向きに検討してはいかがでしょうか。

高等専修学校を選ぶポイント

高等専修学校を選ぶポイント

高等専修学校に入学する生徒は大きく2つのタイプに分けられます。1つは、不登校経験があり、好きなことを学べるなら通えるかもしれないと考えている生徒。もう1つは、好きなことしか学びたくない生徒です。保護者も含めて不登校経験がある場合の方が不安は大きいでしょうが、好きなことを中心に学びたい、自分の色を出したい、と思っている生徒にとって、同じものが好きな友だちと出会える高等専修学校なら学校生活を存分に楽しめる可能性は高いです。学校に通い、友だちや先輩・後輩、先生と交流するようになれば社会性も身に付きます。
高等専修学校の入学資格は「好きという気持ちを持っているかどうかだけ」というケースが多いので、学校選びの際は自分の興味や体調、学費などを考慮して3年間通学できそうか判断し、その上でさまざまな学びを通して自分の可能性を広げられそうな学校を選んでください。

10代のうちに自分の好きなことを見つけられ、好きなことに打ち込む時間もあるのはとても幸せなことです。高等専修学校には、その好きなことを存分に学べる環境があります。将来を見据えても好きなことに没頭した時間が無駄になることはなく、むしろ強みになり、社会を生き抜く力となります。
高等専修学校では1人ひとりの生徒を適切にケアし、苦手なこともサポートしながら成長を促しています。中学校などで不登校経験があるなら改めて学園祭などの学校行事に参加して学校生活を楽しみ、高等専修学校で良い思い出をたくさん作ってください。

安田 貴之
高等専修学校

学校法人滋慶学園 東京コミュニケーションアート専門学校

学科長

安田 貴之

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