高等専修学校のメリット・デメリットとは?

PICKUP メリット 高等専修学校

高等専修学校のメリット・デメリットを解説

高等専修学校のメリット
  • ・将来の仕事に必要なスキルや資格を取得し、早い段階で将来のビジョンが見える。
  • ・大学入学資格が付与される。(文科大臣指定校の場合)
  • ・通信制より「好き」を学べる授業の時間が多いため、自由度が高く、のびのびと自分の好きを極めることができる。
  • ・業界の人との関わりが増え、プロの講師に教えてもらえる。産学連携プロジェクトに力を入れている学校もある。
高等専修学校のデメリット
  • ・学校によっては学費が高い(ただし、補助金をうまく活用すれば安くなる)
  • ・高校卒業資格が取れないため、大学や専門学校に進学・卒業しなければ学歴が中卒になる。
  • ・国数英社理5科目の授業時間は少ないため、学力不足になることを懸念する保護者がいる。

専修学校は高校卒業者が入学する「専門課程」、中学卒業者が入学する「高等課程」、入学資格のない「一般過程」があり、専門課程が所謂「専門学校」にあたり、高等課程は「高等専修学校」と呼ばれています。

高等専修学校の特徴は専門学校のようなプロ仕様の設備や機材を使うことができ、さらに専門学校で教えているプロ講師の授業を受けられることです。最新の設備を使うため学費が高くなりやすく、専門分野の授業を行う分、主要5教科の授業が少なくなることに懸念を示す保護者もいますが、好きなことに打ち込める環境で早いうちから専門的な知識や技術を身に付けることができれば将来の展望を描きやすいため、デメリットよりもメリットに魅力を感じて入学を決める家庭が多いです。

実践的な職業教育でスペシャリストを育成する高等専修学校

実践的な職業教育でスペシャリストを育成する高等専修学校

専修学校は1976年、「職業若しくは実際生活に必要な能力を育成し、又は教養の向上を図る」ことを目的に創設されました(学校教育法第124条)。嚙み砕いて言うと、実践的な職業教育や専門的な技術教育を行い、各分野のスペシャリストを育成する教育機関です。

中学校の卒業者を対象とする高等専修学校は高校ではないので卒業しても高卒資格は得られませんが、文部科学大臣の指定校であれば以下の要件を満たすことで高校の卒業生と同程度の学力があると見なされ「大学入学資格」を得られます。

  1. 修業年限が3年以上
  2. 卒業に必要な総授業時間数が2,590時間以上(普通科目の総授業時数は420時間以上が望ましい)

大学や専門学校に進学して卒業した場合、学歴は大卒や専門学校卒となりますが、高等専修学校を卒業しただけでは学歴は中卒となるため注意が必要です。
また、高等専修学校の設置者は学校法人、私立学校法人、財団法人、社団法人その他の公益法人及び個人であり、管轄は管轄都道府県知事に認可されている学校となります。

歌手の西川貴教さんが高等専修学校を卒業したことで注目を浴び、若いうちから身に付けた方が活躍しやすい音楽やダンスの分野から徐々に広がっていきました。専門課程と同等の設備や機材を使った実習授業によって早期に技能を習得でき、資格取得に向けたサポートも手厚いため就職も有利に進めることができます。

職業を学ぶ楽しさが、自分らしい進路を切り拓く

職業を学ぶ楽しさが、自分らしい進路を切り拓く

高等専修学校は高卒資格の代わりに大学入学資格を得られます。これは高校の卒業生と同等の学力があると認められるからです(学校教育法 第90条、学校教育法施行規則第150条)。
高等専修学校で自分の好きなことに取り組み、大学入試ではその経験を活かして総合型選抜を突破することも可能です。例えば、ゲームが好きで高等専修学校でゲームの企画などに取り組むうちにビジネスに興味を持ち、大学では経営学部や商学部を選択する生徒もいます。

大学受験合格に向けてさまざまなサポートを行っている高等専修学校も多いので、10代半ばから好きなことや興味があることを楽しく学ぶことが自分らしい進路を切り拓くきっかけになるかもしれません。実際、高等専修学校で将来やりたいことを見つけて社会で活躍している方々が大勢います。

安田 貴之
高等専修学校

学校法人滋慶学園 東京コミュニケーションアート専門学校

学科長

安田 貴之

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