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「起業」という言葉は、かつては学生からすると縁遠い、ともすれば難しく怖いといったイメージが強いものだったかもしれません。しかし、今日ではYouTubeなどを通して起業家の生き方や成功事例に触れる機会が増え、「起業」という言葉がより学生にとっても身近な存在になってきています。しかしながら、大学機関でも起業家教育を受けているのはたった3万人、全体の1%に留まっている現状があります。
高校生のうちに起業について知り、学ぶことは、起業家としての生き方の選択肢を持てるだけでなく、アントレプレナーシップ(起業家精神)と呼ばれる力を育むことに繋がります。「起業家精神」とは、革新的なアイデアと行動力でリスクを恐れずチャレンジする、積極的な姿勢や能力のことを言い、実際に起業家にならずとも、広く社会に出て役に立つ考え方、スキルと言われています。世の中の課題を見出し、解決策を考え、どう価値を届けるのか。この考え方はどのような進路を選択しても必ず役立つスキルになるでしょう。
一部の通信制高校では、起業家を目指す生徒たちのために、独自のサポート体制を構築しているケースがあります。例えば、社会と繋がる仕組みづくりです。様々な産業分野の企業と積極的に連携し、生徒たちが実社会に触れることで課題を見つけ、解決に導く機会を通して、起業家精神が磨かれていきます。
HR高等学院では企業連携PBLというものを行っていて、企業と共同で授業を設計し、実際のビジネス課題に取り組むプロジェクトを展開しています。例えば「10代に爆発的に人気が出る、新しいお菓子を開発しよう」といった身近でワクワクするテーマを設定することで、学生たちはアイデアの出し方から市況の捉え方、売上の計画を数学的観点で考えるなど、科目横断的にかつ自発的に学びます。
「教えてもらって終わり」ではなく、自ら考えアイデアを形にし、時には実際の商品化まで携わります。この過程で、マーケティング、数学、プレゼンテーションなど、社会に出て役に立つ多彩なスキルを実践的に学びます。こういった経験を通して培った力は、社会人になってかけがえのない財産になるでしょう。
社会人としての素養やスキルは多くの学校で学ぶことができませんが、急に就職活動などで求められてしまうものです。だからこそ高校時代から実践的な学びや経験を通じて、高校生とは思えないスキルを身につけていれば即戦力として企業が迎えてくれます。さらに、多様な起業家や社会人との出会いは、自分の生き方や目指す方向性を見つける貴重な機会にもなります。自分の理想像や解決したい社会課題が明確になる効果もあります。
今後は、「起業=リスクが大きい」と判断し食わず嫌いするよりも、アントレプレナーシップという考え方を理解、習得することに大きな価値があると考えて欲しいです。
また、失敗を恐れず挑戦してください。高校生のうちの失敗は、その場の悔しい思い以上に、揺るぎない将来の糧や自信になります。失敗を怖がって大人になると、一生失敗ができなくなってしまいます。後悔ないよう、一度持った興味を、周りの目を気にせず思いきりやってみてください。