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子どもが朝起きられない、学校に行けない...となると「いつ学校に行けるのか」「大学進学できるのか」と心配になりますよね。そこで、起立性調節障害の生徒を数多く大学に送り出してきたゴールフリー高等学院の森川学院長に、親ができることや起立性調節障害の生徒が高校卒業と大学進学を目指せる高校の選び方をお聞きしました。
起立性調節障害の子を持つ親は、子どもへの心配から「回復をせかしてしまう」「我慢しすぎて限界が来てしまう」ことが少なくありません。不登校という状況を改善したいあまり「明日は何時に起きるの」など、短期的な回復を求めてしまいがちです。また、心療内科などで「無理させないで」「今は見守って」と何度も配慮を求められ、叱らないよう親が我慢しすぎた結果、限界がきて子どもに当たってしまうこともあります。これらは状況の悪化を招いてしまうので注意が必要です。
起立性調節障害の子の進学を考える際には「長期的な目で見る」「起きている時間にできていることに注目する」「マイペース・見守るの意味を正しく捉える」の3つの考え方が大切です。
将来に対する不安や周囲との差に焦りを感じている生徒・保護者は多くいらっしゃいます。ですが卒業生を見てきた限り、起立性調節障害の大半は高校卒業までに寛解しています。なので、同年代と比べすぎず「どんな大学に行きたいのか」「大学卒業した後に何がしたいのか」を長期的な目線で話し合ってみてください。そうすることで、逆算して今何をすべきなのかも見えてきます。また、その具体的イメージを持つことで、子どもの意識や行動が明るい未来に繋がるようになり、回復の後押しになるでしょう。
起立性調節障害の子どもにとって精神的プレッシャーは回復の妨げになります。例えば、朝起きれていなくても、夕方・夜に勉強ができていたらそのことを認めてあげてください。そうすることで、家が子どもにとって安心できる場となり、徐々に前向きになっていきます。
「マイペース」というのは、子どもが楽に過ごせるペースのことではありません。それぞれの目標地点から現在までを逆算した進め方が、理想的な「マイペース」です。入学するとき、ゴール設定と今の立ち位置を親、子、学校の先生で共有することで、子どもも自らのペースを把握できますし、親も長期的な目線を持つことができます。また、「見守る」は何も言わずに見ていることではありません。できたことを認めてあげることが見守ることです。
起立性調節障害の子どもにオススメの高校は「スクーリングを毎日のように実施していて自分で登校日を決められる学校」や「スクーリングを家から近い場所で受けられる学校」です。反対に、宿泊型、連続登校型、指定会場・指定日時のスクーリングは難しいでしょう。私たちの生徒にも、前の学校では日時が指定されるスクーリングに通えなかったという子がいました。ですが、自由登校のスクーリングに変わったことで学校に通えるようになり、友達もできて、3年生の秋頃には起立性調節障害を克服して大学に進学していきました。
不登校という状況の中で保護者の方が焦る気持ちはわかります。ですが、起立性調節障害のほとんどは高校卒業までに治っていきます。通信制高校・サポート校には起立性調節障害の子が通いやすいシステムを整えている学校もあるので、ぜひお子さんと一緒に検討してみてください。
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