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学習レベルや卒業へのハードルが低めに設定されていることから、デメリットに目を向けられてしまいがちな通信制高校。ですが、どのスタイルの学校でも、メリットとデメリットの両方が存在します。重要なのは、良い面や悪い面だけにとらわれず、今の自分に適した学校を見極めることです。
通信制高校では、働いている人や、学習にブランクがある人でも無理なく通えるように、レポートの難易度を下げている場合が多いです。そのため、全日制高校の授業を受けてきた保護者の方にとっては、本当に子どもが自力で学力を身につけられるのかと不安を抱くかもしれません。また、強制されることが少ない分、卒業までのハードルが低く、根本的な登校不安が改善されることなく卒業に至ることもあります。特にオンラインや週1コースでは、授業時間がコンパクトに圧縮されているので、浮いた時間をどう使うかなどの管理能力が求められます。これは大人でも難しいことなので、しっかりと自己管理をしないと、必ずどこかで問題が浮き彫りになります。
通信制高校には、レポートの内容を補完することを目的とした、キャンパスでの教育活動があります。これに参加することで、学習とコミュニケーションの両方を経験でき、イベントや行事、授業を通して他者との関わりを持つ機会が得られます。また、卒業に関しては、「仕組みとして卒業はできるけど、その先は大丈夫?今のままで満足せずに、次のステップを見据えてね」といったアドバイスを行っています。通信制高校は全日制高校ほど他者との距離が近くないかもしれませんが、人と人との関わりは避けられないものです。今の時代、LINEやチャットなどでやりとりができますが、だからと言って対人関係を持たなくてもいいわけではありません。コミュニティに所属し、他者との関わりを持つことで自身の対人不安を改善して、最終的には5日通学を目指すような感覚が求められます。学習やコミュニケーションで得た知識も、振り返りを通してアウトプットすることが重要です。通信制高校が合わない生徒ももちろんいますが、対人不安を改善する意欲のないまま、通信制高校を「逃げる場所」として選ぶことは避けてほしいと思います。
今学校に通えていないこと自体は全く問題ありません。ですが、現実や社会の仕組みからは目を背けてほしくないと思います。今は無理でも、通う日数を少しずつ増やしたり、社会と関わる機会を増やしていきましょう。学習は、授業の後に自習することで最も定着します。ですから、繰り返し復習する時間が多く確保できる通信制高校の学習スタイルは間違っていないのです。通信制高校と検索すると、よく「デメリット」というキーワードが出てくるかもしれませんが、通信制高校、定時制高校、全日制高校、それぞれの良さや大変なところがあるはずです。私自身、この記事を読んでいる皆さんと直接面談して、伝えたいことがたくさんあります。リスクをしっかり把握するためにも、ぜひ一度学校に足を運んで、今の自分に適しているのが通信制高校なのか、全日制高校なのか、それとも定時制高校なのかを判断してみてください。