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通信制高校への入学や転校を検討する際、普段の授業やクラス、通学日数などが全日制高校とどう違うのか気になるところでしょう。通信制高校では、従来の学校とは異なる独自の学習スタイルが採用されています。麗澤高等学校の山本先生に解説していただきました。
一言で表現すれば、「全日制高校は学年生」、「通信制高校は単位制」となります。
通信制高校は大学のシステムに似ており、74単位を修得(3年間の在籍と30時間の特別活動も必要)することが求められています。単位を取るためにはスクーリング(対面授業)への参加とレポートの提出が必要となり、学習の定着を図るテストをクリアしなければなりません。スクーリングの日数は学校によって異なりますが、最低でも年に数日程度は登校する必要があります。登校日数(頻度)はカリキュラムやコースなどで決まり、どのようなカリキュラムを組むか、どのコースを受講するかは自分で決めることができるというものです。
また、学校によってはスクーリングとは別にコースや講座といった学習サポートも用意していて、その内容によっても通学頻度や授業内容が変わります。レポートの締め切りや提出方法、テストの難易度もスクーリングと同じように学校によって異なるので、入学前に個別相談会などで確認しておきましょう。
では、通信制高校での「普段の授業」にはどのようなイメージがあるでしょうか。通信制高校を見学したことがなければなかなか想像できないかもしれないので、今回は通信制高校と全日制高校の授業がどう違うのか解説したいと思います。
まず、全日制高校には必ずクラスがあり、授業はクラス単位で行われます。国語の授業では国語の先生がクラスにやって来て授業を行う形です。しかし、通信制高校では選択した科目ごとに授業が行われ、学年が違う生徒とも一緒に授業を受ける場合があります。例えば、数学の授業を受講する生徒と先生はA教室に集まり、A教室で授業を受けるという形です。
また、全日制高校は時間割が決まっており、授業を受けるために毎日登校しなければいけません。一方、通信制高校は選択した科目よって登校日が決まり、登校日であっても一日中学校に居続ける必要はありません。登校日数をできる限り減らし、主にオンライン授業で学ぶ通信制高校も増えています。
そして、冒頭でも触れたように通信制高校には単位の取得に不可欠なスクーリングがあります。スクーリングは「年間で何時間参加しなければならない」と定められており、参加しなければ単位が取れず卒業できません。
通信制高校の授業は中学校とは大きく異なるので最初は戸惑うかもしれません。ただ、生徒一人ひとりが自分に合ったカリキュラムを組めるため、好きなことや得意分野をベースにコースや科目を選択でき、自分に必要なサポートを受けることができます。全日制高校のように毎日同じ人と同じ授業を受ける機会は少なくなりますが、「興味のあることを学びたい」「高校を卒業したい」という目的を達成しやすい学校だと言えるでしょう。
そして、コースや選択科目、サポートなどの内容によって学費が決まります。参考として、麗澤高校の学費は以下のようになっています。
※特別進学コース、進学コースそれぞれには講座受講費が別途必要
入学金を含め学費は決して安くはありませんが、あらゆる面で金額に見合うだけの丁寧なサポートを行っています。学校によっては入学金や授業料が安くてもオプションを利用するごとに追加費用が発生する学校もあるので、「自分のやりたいことができ、必要なサポートを受けた上で総合的に幾らかかるのか」を把握してください。
通信制高校の授業の在り方や受け方は全日制高校と大きく異なり、選択したコースや科目によって通学日数も変わります。動画を視聴するオンライン授業がメインの通信制高校もあります。そして、レポート、スクーリング、テストをクリアすることで単位を取得し、スクーリングの日数や開催場所も学校ごとに異なります。通信制高校を選ぶ時は、こうした単位制ならではのシステム・特徴を理解した上で自分に合った学校を選びましょう。
学費も、自分で設計したカリキュラムから算出されます。学校選びでは学費の金額も気になるところでしょうが、高い・安いというだけではなく、「何を学べて、どのようなサポートを受けられるのか」という観点から判断してください。