通信制高校ってどんな感じ。みんなの不安に答えます

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通信制高校に普通の子が通っても問題ない?

保護者の方が高校生だった20~30年前、通信制高校に通うのはすでに働いている生徒や全日制高校をドロップアウトした元気でやんちゃな生徒が中心でした。通信制高校に関する情報も少なかったため、全日制高校の生徒からするとどこか怖い印象を抱いてしまう場所でもありました。しかし、その頃に比べると通信制高校は大きく変わり、通信制高校に通う生徒も変わっています。通信制高校はカリキュラムの自由度が高く、ダンス、デザイン、プログラミングなど、一人ひとりの生徒がやりたいことにチャレンジできる学校になりました。さらに、コミュニケーションや集団生活が苦手でも勉強したい生徒が集まり、不登校の受け皿にもなっています。
コロナ禍でオンライン学習の仕組みが急速に整備され、同時に「みんなと一緒に授業を受けなくても勉強できる」と知ったことで、これまでは全日制高校に入学していたような普通の子も通信制高校を選ぶようになっています。生徒が増え、「こんなことにチャレンジしたい」というニーズに応えるために私立の通信制高校も増加。サポート内容もどんどん多様化しているので普通の子が通ってもまったく問題ありません。

通信制高校に通うと人生終わりなのか

通信制高校に通うと人生終わりなのか

ネットの掲示板を見ると、「通信制高校に通えば人生終わり」という書き込みを目にします。そんな書き込みを見てしまうと、「通信制高校に興味はあるけど、やっぱり入学しない方が良いのかな…」と疑心暗鬼になるかもしれません。
しかし、通信制高校に入学して自分のペースで学び、ちょうど良い距離感で他者と関わることで不登校を克服している生徒が大勢います。自由度が高く手厚いサポートも受けられるので、全日制高校ではできないような体験を重ねられますし、その結果、高卒資格を取得して大学や専門学校へ進学する生徒も増えています。
掲示板に書き込んでいる人が通信制高校の仕組みや現状に精通しているとは限りません。全日制や通信制というカタチにこだわらず、自分に合っている、必要なサポートを受けられる学校に入りましょう。

通信制高校に入学することのデメリット

中学卒業後は全日制高校に進学するのが一般的なルートで、通信制高校に通うと「問題がある生徒と見なされそうで世間体が悪い」と感じる人がいるかもしれません。確かに、「通信制高校」を検索すると関連検索に「人生終わり」「やめとけ」といった言葉が出るため、「世間的にも悪いイメージがあるんだ…」と思ってしまうでしょう。
ただ、全日制高校と通信制高校をきちんと比較するとそれぞれにメリットとデメリットがあることが分かります。例えば、全日制高校は毎日登校してクラス全員で同じ授業を受けるため、クラスメイトと毎日顔を合わせ、みんなで切磋琢磨しながら楽しい高校生活を送りたい生徒は全日制高校にメリットを感じるでしょう。一方、通信制高校はオンラインでの在宅学習から週5日通うコースまで学校ごとにさまざまなコースがあり、勉強面でも中学校からの学び直しができたり大学受験に特化していたり学校ごとに特徴が異なります。そのため、学び直しをしたり、好きなことに取り組んだり、自分らしく高校生活を送りたい生徒は通信制高校の方がより大きなメリットを感じるはずです。
特に、私立の通信制高校では体調への配慮、多様なコースと学習サポート、友達づくりのアシストなど、生徒一人ひとりに寄り添った対応をしてくれます。「全日制高校の方が良いはずだ」という考えに囚われて適切な選択ができず、将来に向かって動き出せないことこそデメリットとなるでしょう。

通信制高校の現実はどうなの?

「通信制高校に入学して大学や専門学校に進学できるの? 実際どうなの?」と思っている人もいるでしょう。この点に関しては、大学や専門学校への進学率は年々上がっているので安心してください。多様な生徒がいる通信制高校では学力や志望校に合わせて指導しており、勉強が苦手でも小学校や中学校の学び直しからはじめて大学を目指すことができます。
そして、大学への進学率が上がっている要因として大きいのが推薦入試枠の増加です。令和4年度の調査では、一般入試枠が41.7%なのに対し、推薦入試枠(総合型選抜、学校推薦型選抜)は58.3%まで拡大しました。これは、少々学力が高いより、その大学に入りたいという熱意と意欲のある生徒に入学してもらいたいと大学側が考えているからです。
カリキュラムの自由度が高い通信制高校は漢検などの検定を取得したり、留学したり、プログラミングのような専門的なスキルを磨いたり、さまざまな活動実績をつくることができます。その実績が入試では大きなアピールポイントとなるため推薦入試との相性が良く、推薦入試枠の拡大と共に通信制高校の大学進学率も上がっているのです。通信制高校の現実がどうなのかいろいろ気になるでしょうが、「進学率が上がっている」というのが通信制高校の現実です。

通信制高校の現実はどうなの?

通信制高校に対する親の気持ち

「通信制高校に行きたいと言ったら、親はどう思うだろう?」優しい子ほど、そんな風に親の心情を思いやります。 そんな子どもの想いに対して、多くの親は「みんなと同じように全日制高校に通って勉強や部活動を頑張り、高校生活を楽しんでほしい」と考えるのではないでしょうか。でも、それは子どもの意思をないがしろにしているわけではなく、むしろ「一般的なルートから外れることで将来的に不利益を被るのではないか」と子どもを心配しているからです。
親は子どもを心配するあまり通信制高校への入学に反対してしまう。でも、反対する前に一つやってほしいことがあります。それは、いまの通信制高校がどのような学校なのか知ることです。実際にどのような仕組み・制度があり、どのような生徒が在籍しているのかを知らないのに反対しては子どもも納得できません。子どもにとって何がベストなのかを探るために、子どもが通信制高校に興味を持っているなら一緒に個別相談会や合同説明会に参加してみてください。通信制高校の先生たちから学校の雰囲気やいま行っている取り組みを教えてもらえば、「通信制高校より全日制高校の方が良いはずだ」という固定観念が変わるかもしれません。

通信制高校への転入を後悔する理由

全日制高校から通信制高校に転入した結果、「転入しなければ良かった…」と後悔するケースもあります。後悔してしまう最大の原因は、単位の引き継ぎがうまくいかず全日制高校の同級生と卒業時期がずれてしまうことです。
全日制高校に在籍している状態で通信制高校に転校する場合は「転入」、全日制高校を辞めてから通信制高校に入り直す場合は「編入」と呼びますが、一度退学する編入は通信制高校に入り直すまでに空白期間が生じてしまい、その結果「3年継続して在籍する」という卒業要件を満たせず卒業時期がずれてしまいます。
また、転入の場合は空白期間がないので在籍期間の卒業要件は満たせますが、後期(10~3月)に転入すると前期(4~9月)の単位を申請・修得できず、単位が足りないせいで卒業時期がずれてしまいます。同級生と同じタイミングで卒業したいなら、前期期間中に転入できるよう転入の意思を早めに明確にして通信制高校の先生に相談してください。
後悔する理由としては、他にも「スクーリングに参加できず卒業できなかった」というものがあります。通信制高校はレポートを作成・提出し、スクーリング(対面授業)を受け、テストに合格して単位を修得できますが、学校によっては遠方にある本校でスクーリングを受けなければなりません。しかし、遠方の本校に行くことができず、その結果単位を修得できなくて卒業できなかったというケースがあります。スクーリングをどこで、何日ほど行うかは学校ごとに異なるので、スクーリングに関しては入学前に必ず確認してください。

通信制高校の授業で当てられることが不安です

通信制高校の授業で当てられることが不安です

単位制高校である通信制高校は、全日制高校と違って決まったカリキュラムはありません。普段の授業では単位の修得に必要なレポートを解き、わからない部分を先生に教えてもらう、という形が多いです。レポートの進捗度は生徒によって違うので「先生から授業中に当てられる」ということはあまり多くはありません。何より、通信制高校の先生は生徒一人ひとりの性格や心身の状態を見ながら注意深く対応してくれるので安心してください。 全日制高校のようにクラスで授業を受ける通信制高校もありますが、個別指導とクラス授業にはそれぞれメリットとデメリットがあり、どちらが良いというものではありません。自分に合っている学校選びましょう。

通信制高校一日のスケジュール

オンライン学習コースにもバーチャル登校で登校できるオンライン学習コースが増えてきました。校舎に登校するコース、オンライン学習コースの登校日のスケジュールを比べてみました。オンライン学習コースでもチャットでコミュニケーションができ、バーチャル上で修学旅行や文化祭のイベントに参加できる学校が増えてきています。従来の学校の形に囚われず、自分に合う学校を選ぶことが大切です。

オンライン学習コース(※オンライン登校する日)

通信制高校の現実はどうなの?
オンライン学習コース
08:00 起床
09:00 朝ごはん 仕度
10:00 パソコンからバーチャル登校
ホームルーム 同級生とチャットで会話
担任の先生へレポートのわからないところをチャットで会話
12:00 お昼ごはん
13:00-14:00 オンライン学習 レポート対応
15:00-18:00 アルバイト
19:00 夕食
20:00-23:00 自由時間
24:00 就寝

通学コース

通信制高校の現実はどうなの?
通学コース
08:00 起床
08:30 朝ごはん 仕度
10:00 通学 数学 英語の授業
12:00 同級生とお昼ごはん
13:00-15:00 自習 レポート わからないところを先生に聞く
15:00-18:00 放課後に同級生と遊び行く
19:00 夕食
20:00-23:00 自由時間
24:00 就寝
岩田 彰人
教育メディア

株式会社プレマシード

教育メディアクリエイター

岩田 彰人

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