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通信制高校は望む人は誰でも入学できると考えている方もいらっしゃるかもしれませんが、通信制高校に入学する場合も受験はあります。具体的にどのような試験が行われるのでしょうか。また、不合格となることはあるのでしょうか。聖望学園高等学校の表先生に通信制高校の受験に関する解説していただきました。
高校に進学する際、全日制高校では入学試験を行います。生徒間であまりに学力差が大きいと授業についていけなくなる生徒が出てくるため、入試で学力を測り、一定の基準に達した生徒を合格としています。
一方、通信制高校では入試として作文と面接を行います。作文は生徒の筆記能力と会話能力を知るためで、コミュニケーションの特徴や発達障害などの特性があればその程度を測ります。面接は「高校では芸能活動やスポーツをメインに頑張りたい」「起立性調節障害があり中学では不登校だった」など、生徒一人ひとりのやりたいことや目標、抱えている問題を共有するために行っています。
作文と面接が上手くいかなくても、通信制高校の受験で不合格となることは基本的にありません。ただ、学校によるサポートが著しく難しい場合は受け入れをお断りさせてもらっています。「身体的な障害をもつ生徒を受け入れられるバリアフリー設備が学校に整っていない」など、設備や教員の準備ができない時です。そうした例外的なケースでなければ基本的には合格です。
続いて、通信制高校の入試である作文と面接について細かく解説します。
まず、作文のテーマは「志望動機」や「入学後や卒業後の展望」となる場合が多いです。通信制高校の入試自体が学校と生徒の相性確認や情報共有を目的としているので、なぜこの学校に入りたいのか、どんな学校生活を送りたいのか、将来どんな人になりたいのか、ということを詳しく知りたいと思っています。作文の提出時期については、個別相談会に参加していれば出願書類と同時に提出してもらうこともありますし、入試会場で作文を書いてもらうこともあります。ちなみに、作文を実施しない通信制高校もあるので、どのような入試を行っているかは進学希望の通信制高校の先生に確認してください。
次に、面接について。面接はほとんどの学校が実施していますが、これは本人の状況と必要なサポートを確認するためです。生徒と保護者には、何よりも「いまの状況をありのままに伝える」ことをお願いしたいです。例えば、喘息などの持病があるのに「入試で不利になるのでは…」と考えて敢えて面接で言わなかったりすると、入学後に急に生徒が苦しみだしても先生たちは苦しんでいる原因がわからず適切な対処ができません。面接は「学校が生徒のために配慮するべきこと」を知る目的もあるので、些細なことでも伝えてください。
通信制高校への受験を検討している方にお伝えしたいのは、自分に合った学校を探すことが最も大切であり、通信制高校が合っていると感じたのなら自信をもって入学してほしい、ということです。保護者の中には「通信制高校は世間体が悪い」と思っている方もいるでしょうが、通信制高校はどんどん変わっていて、生徒一人ひとりに適切な学びとサポートを提供する場になっています。世間体に負けず、子どもに必要なものは何か、という観点から学校を選んでください。
聖望学園は全日制も通信制も運営していますが、どちらも運営している私たちから見ればどちらも同じ「高校」ですし、聖望学園の場合は定期テストや学力テストの結果次第で通信制から全日制への転籍もできます。最初は通信制で学校に慣れ、学校で楽しく過ごせるようになったら全日制への転籍を目指してみる、といったことも可能なので、通信制高校から自分の可能性を広げてみましょう。