通信制高校の特別活動とは。校外学習・課外学習の活用。

PICKUP 特別活動 校外学習

通信制高校の特別活動は、ホームルーム活動や生徒会活動といった日々の学校生活の中で実施されるものの他に、文化祭や体育祭、修学旅行などの学校行事などがあります。湘南一ツ星高等学院の小山先生に、特別活動の3つの柱とされている「人間関係形成」「自己実現」「社会参画」という視点から、具体例を踏まえてお話しを伺いました。

文化祭は「お祭り」ではなく、成果を発表し人間関係を構築する機会

文化祭は「お祭り」ではなく、成果を発表し人間関係を構築する機会

特別活動は生徒の個性や得意分野を伸ばすことにつながります。例えば、イラストを描くのが得意な子は文化祭で展示したり、ゲームが好きな子は自作ゲームを体験ブースで披露したり、料理が上手ければ試食会や販売もできます。多くの人が経験してきた全日制高校の文化祭はお祭りムードの学校行事だったと思いますが、いまの通信制高校は文化祭を「成果を発表する場」、「人間関係を構築する場」として捉えており、数ある学校行事の中でも特に力を入れています。
また、学校行事の実行委員になればイベントのプランニングやスケジューリング、集客などに携わり、イベントをゼロからつくり上げていけます。「どうやって人を集め、イベントを成功させるか」と考えることは社会でも役立つスキルです。実行委員として活動する過程で自分に足りない部分がわかれば「もっと上手くできるようになりたい」と思いますし、そうした想いが原動力となって大学や専門学校への進学を目指すケースも多いです。

校外学習や課外活動を通して相手のことを考えるようになる

校外学習や課外活動を通して相手のことを考えるようになる

最近は特別活動だけではなく、校外学習や課外活動に取り組むサポート校が増えています。これは、さまざまな活動を通して生徒の主体性や可能性を引き出せるからです。
湘南一ツ星高等学院の場合、鎌倉にハイキングした際には鎌倉出身の生徒が寺社仏閣の説明をしたり、着付けや百人一首が好きな生徒は手順やルールをみんなに教えるなど、特定の役割を任せることで主体性や責任感を育んでいます。
特別活動をはじめ校外学習や課外活動を行うと、「次回も地域の人たちに来てほしい」「次はもっとわかりやすく話したい」と相手のことを考えるようになります。集団の中で役割を担い、相手を思いやる気持ちを持つことで生徒本人が前向きに改善に取り組んでいく。それが新しいことに挑戦する意欲となり、生徒の可能性を広げていくのです。

生徒の意識を校外に向けると、生徒は自分の可能性に気付く

生徒の意識を校外に向けると、生徒は自分の可能性に気付く

以前、担任の先生にも敬語を一切使わない生徒がいました。生活態度に問題があると捉えられていましたが、課外活動の一環として子どもたちに食事を提供する「子ども食堂」に参加。すると、子どもたちの間で人気者になりました。大人や同級生と接することは苦手でも、子どもたちとは笑顔で楽しく過ごせるとわかり、自分の居場所を見つけたようでした。その後はさまざまなボランティアに率先して参加。これは視野を広げて校外に意識を向けることで生徒が自分の可能性に気付いた例です。他にも、社会人講座などでは大きなテーマよりも身近なテーマを扱うことで生徒の興味・関心を呼び起こせます。
特別活動や校外学習が多いと聞くと、人付き合いが苦手な生徒は通信制高校やサポート校への入学を躊躇してしまうかもしれません。しかし、通信制高校やサポート校だからこそできることがありますし、少人数で動くので先生たちの目も届き、「チャレンジしてみよう」という気持ちがあれば必ず誰かが一緒にやってくれます。通信制高校やサポート校でいろいろなことに挑戦し、あなたの可能性を広げてください。

小山 香織
サポート校

湘南一ツ星高等学院

教諭

小山 香織

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