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広域通信制高校と狭域通信制高校では、取得できる高校卒業資格の違いはありません。日本航空高等学校の野村先生に、広域通信制高校と狭域通信制高校の違いについて解説を頂き、広域、狭域、私立、公立の通信制高校を選ぶ際のポイントを解説頂きました。
通信制高校は自分で登校日数を選ぶことができ、レポートの作成から提出まですべてネットで完結するコースもあります。そのため、「どの都道府県に住んでいても入学できる」と思われがちですが、すべての学校に入学できるわけではありません。
通信制高校には「広域通信制高校」と「狭域通信制高校」の2種類があり、入学できる都道府県の範囲が違います。
広域通信制高校は入学できる地域が3都道府県以上あり、私立校に多いです。キャンパスやスクーリング会場を複数用意し、全国から生徒を募集している学校もあります。
一方、狭域通信制高校は入学できる地域が「学校のある県」と「隣接する1都道府県程度」に限られて認可されます。「隣接する1都道府県程度」とは、例えば神奈川県は東京都、山梨県、静岡県と隣接していますが、神奈川県に学校がある場合は追加の募集エリアとして東京都が認定されたら山梨県と静岡県では生徒を募集できない(山梨県と静岡県に住んでいる人は入学できない)というものです。基本的に公立高校はこちらに該当しますが、近年は私立高校でも狭域通信制高校として認可・開校するケースも増えています。
広域通信制高校と狭域通信制高校はあくまで入学範囲の違いだけなので、入学を検討する際は必要なサポートを受けられるか、学費は無理なく払えそうかといった点を必ず確認してください。学費の安さから公立の通信制高校を選ぶ方も多いですが、最も大切なことは生徒が適切なサポートを受けられるかどうかです。
では、狭域が多い公立の通信制高校と広域に多い私立の通信制高校はどちらを選べば良いのでしょうか。
基本的に、公立の通信制高校は自立した社会人を対象につくられたという歴史的な経緯があります。社内の昇進や資格の取得などを機に改めて高卒資格を取ろうとする人が通う学校だったため、不登校のケアや大学受験のサポートなどは想定されていませんでした。
逆に、私立の通信制高校は不登校や起立性調節障害の改善、集団生活に慣れること、大学受験指導など、生徒の要望に応えることを前提とした学校が増えています。ダンスやeスポーツなど生徒のやりたいことをコースにしている学校も多いです。学習面と生活面で丁寧なサポートを受けられるため卒業率や進学率は私立高校の方が高く、学費も全日制の私立高校と同程度になっています。
公立の通信制高校と私立の通信制高校にはどちらもそれぞれの良さがありますが、「一人で登校できる」「勉強は自学自習で計画的に進められる」という方であれば公立でも良いでしょう。しかし、学習面や生活面で「何かしらのケアが必要」「高校の3年間でやりたいことがある」という方には私立の通信制高校が合っているのではないでしょうか。
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