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全日制高校や定時制高校と通信制高校を比べると、どちらがいいのか。「通信制高校はやめておけ」という周囲の声が聞こえ、親も複雑な気持ちを抱いてそうだが、就職や進学で不利になることはないのか。こうした不安は通信制高校を知らないから生まれるのだと思います。そこで、鹿島学園高等学校の友田先生に全日制高校や定時制高校と通信制高校の違いを「よくある質問」から比較、解説していただきました。通信制高校への不安を少しでも解消し、学校選びの基準を知り、自分に合う最適な学校を見つけてください。
個別相談会では生徒や保護者からいろいろな質問を受け付けます。ネット情報や口コミで「通信制高校にはデメリットがたくさんある」と聞き、少しでも疑問や不安を解消したいと考えているからでしょう。そこで、通信制高校のことを知ってもらうためよくある質問に対して全日制高校と比較しながら回答したいと思います。
これは生徒と保護者の両方から言われます。全日制高校は毎日登校してクラス授業を受け、定期的にテストを受けることで卒業できます。一方、通信制高校は単位制のため、レポート、スクーリング、テストを経て単位を取得します。単位制なので大学のように自分のペースで学ぶことができ、時間を自由に使える点がメリットです。
メリットとデメリットは表裏一体、自由な時間が多いゆえに毎日家でゲームばかりするのではないか…と思ってしまうようです。しかし、自分のペースで通えることでもう一度学校という場所を好きになれるかもしれません。デメリットよりもメリットや将来の可能性に目を向けてください。
通信制高校に入学すると友人ができないのではないかと心配される方が多いです。全日制高校と全く同じではありませんが、通信制高校にも生徒同士のコミュニティがあり、友達づくりを後押しする学校のサポートもあります。文化祭や体育祭などのイベントがきっかけで仲良くなる生徒も大勢いますし、しっかり青春を過ごすことができます。
次に、通信制高校と定時制高校の違いについて説明します。定時制高校は毎日登校し、夜間を中心に授業を受けます。そして、4年通わなければ卒業できません。
もともと、すでに就労している人に向けた制度でしたが、通信制高校に比べると「4年間、毎日通学しなければならない」という点の負担があまりに大きすぎるようで、現在は毎年10校単位でなくなっています。
もう1つ、公立と私立の通信制高校の違いを見ていきましょう。公立の通信制高校はほとんど授業料が掛からず、卒業できます。ただ、卒業に必要なレポート学習を生徒の自主性に任せるため単位取得が難しく、卒業率は私立に比べて低く、3年間で卒業できない方もいます。一方、私立の通信制高校は登校や学習などさまざまな面を手厚くフォローしてくれるため別途費用が掛かりますが、3年間での卒業率は90%を超えています。
これはどちらが良いと言うより、生徒自身が何をできるかによって判断するべきです。登校でき自分で勉強を進められるのなら費用の安い公立を選ぶべきでしょうし、不登校などの問題を抱えているなら私立への入学をオススメします。
最後に、全日制高校、定時制高校、通信制高校の公立・私立など、高校の選択肢はたくさんあります。そして、一般的なルートと言える全日制高校は授業の時間割が決まっていて世間的には最もラクだと思います。しかし、レポートの期限がある通信制高校で学べば結果として自己管理能力も高まり、興味のあることに時間を費やせば全日制高校では獲得できないスキルも身に付きます。
尚、通信制高校は「家に近い」「立地が便利」という理由だけでは決して選ばないでください。さまざまな通信制高校やキャンパスを見て回り、どこで何を頑張りたいか考え、自分にとって最適な学校を見つけましょう。