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『敬愛大学八日市場高校』の全日制課程は100年以上の歴史をもつ千葉県最古の私立高校です。教育理念は、西郷隆盛も好んだ言葉「敬天愛人」。漢字の通り、天を敬い人を愛する、という意味です。
地域にはさまざまな子どもたちがいます。全日制課程にも不登校やメンタルの問題を抱えている生徒がいました。そんな生徒にも等しく学習機会を保証し、個々の状況に配慮した教育支援を行いたい。そんな想いから2014年に通信制課程を設置しました。
地方では過疎化が進み、全日制の公立高校が定員割れになる時代です。その中で、通信制高校には不登校経験者だけではなく、趣味や勉学に集中したいと考えている生徒、働きながら高卒資格を取得したい生徒、特別な支援を必要としている生徒など、多様な生徒が集まっています。
生徒たちの個別のニーズに柔軟に応えることで、生徒数が増えれば学校を起点に地域社会を元気にすることができます。学校と地域社会の連携が強くなれば、生徒にインターンシップやボランティア活動の機会を提供できます。このように生徒が社会で活躍するための土台をつくりたいと思っています。
学校の特徴を挙げるなら、面倒見が良く、温かいことです。20代の若手から小中高でさまざまな役職を歴任して定年退職したようなベテランまで教員の層が幅広く、全教員がいつも生徒の笑顔のために目を配り、声を掛け、教育理念を体現しています。手厚い対応は保護者に対しても同じです。どのような相談にも経験をベースに親身に対応しています。
また、全日制と通信制の2つの課程があるので、通信制から全日制へ転籍することができます。もちろん、全日制から通信制への転籍も可能です。
全日制に入学した新入生の中には「毎日登校できるか不安だったけど通信制もあるから選んだ」という生徒もいるほどです。
通信制高校を卒業するには必ずスクーリング(面接指導)に参加しなければなりません。本校では土日の2日間同じ内容で実施しています。例えば、起立性調節障害など体調の問題で1日を通して出席するのが難しい生徒の場合、土曜の午後と日曜の午前に出席するなど、体調に合わせて参加することも可能なシステムになっています。また、土日なので全日制の生徒と会うことはなく、保護者からは「送り迎えがしやすい」と喜ばれています。
毎週参加することが難しい場合は、前期・後期それぞれの通常スクーリングが終了後の補充スクーリングを実施しています。これは少人数だからこそ可能な手厚い対応で、「1度失敗したからダメ」とは言わず、挽回するチャンスを与えて「自分でもできるんだ」という自信を育んでいます。
勉強以外でも、個々の才能を発揮できる「文化発表月間」を設けています。文化発表月間は全日制課程における文化祭にあたり、動画制作や楽器演奏、コスプレ等にチャレンジする生徒や絵画等の自作作品を展示する生徒、中には専門的な研究を行い、その成果を発表する生徒までいます。生徒はやってみたいことに全力でチャレンジし、自己表現をすることで、周囲から認められ、変わるきっかけを掴んでいます。
これも教員が普段から生徒に声を掛け、1人ひとりの個性を理解しているからできることです。「やってみたい人は手を挙げて」と挙手させるのではなく、何気ない会話から生徒の興味があることを掘り起こしているからこそ、生徒が輝く機会を提供できています。
毎日登校しない通信制高校には、もしかするとネガティブなイメージがあるかもしれません。しかし、中学で不登校だった生徒が自分のペースで学び、文化発表月間をはじめ、修学旅行や遠足、スポーツデイなどさまざまな学校行事を通して少しずつ自信をつけます。そして卒業後の進路も前向きに考えられるようになっていきます。体調に不安がありながらも、たくさんの友達とともに勉強を頑張り、志望大学に合格してトップクラスの成績を収めている先輩もいるほどです。多くの生徒が笑顔で学校生活を送っており、「スクーリングにイキイキと行くようになった。中学の頃からは考えられない」と話す保護者もいます。
将来の可能性は無限大です。中学生の段階で将来がすべて決まってしまうようなことはありません。自分でダメだと思い込んでいても、高校の3年間でいくらでも変われます。不登校になっても、体調に不安があっても、決して諦めず希望を抱いて入学してください。
敬愛大学八日市場高等学校 通信制課程 副校長 森本 均