通信制高校から大学進学を目指す学校選び

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大学進学における通信制高校のデメリット

通信制高校から大学進学を目指す上で知っておいてほしいことがあります。それは、通信制高校のメリットが全日制高校のデメリットに、全日制高校のメリットが通信制高校のデメリットになっているということです。例えば、通信制高校では高卒資格を取るための勉強は最低限でよく、その分、受験勉強に時間を割くことができます。一方、全日制高校では学校の授業と並行して受験勉強を進めなければなりません。苦手科目があり、より多くの時間を割きたい場合などはジレンマを抱えることになります。また、全日制高校ではクラスメイトと進学に関する情報を交換しながら切磋琢磨できますが、通信制高校にはさまざまな生徒が在籍しているので基本的に一人で勉強することになります。以下に通信制高校と全日制高校の違いをまとめたので確認してみましょう。

通信制高校と全日制高校 メリット・デメリット
通信制高校 全日制高校
環境 すべての通信制高校が大学進学に強いわけではない。あくまでも個人での勉強がメイン 進学を視野にいれた指導が前提、周囲の生徒と切磋琢磨できる
受験勉強に割ける時間 高卒資格取得における勉強は最低限、大学進学に向けた受験勉強、学びに多くの時間をさける 学校の授業と個人の受験勉強の両立が必要となり、生徒への負担も大きい
不登校で勉強が遅れた生徒への対応 一人ひとりにあわせて、小中学校の勉強から学び直しができる。 集団での学びがメインになるため、個人で対応する必要がある
一般入試 多くの時間を受験勉強にさける。大学受験に強い通信制高校もある 一般入試を目指す生徒が多く、情報交換をしながら共に勉強できる
推薦入試 総合型選抜では優位に働きやすい。学校推薦の枠は少ない 学校推薦の枠が多い学校もあるが、総合型選抜への対応は積極的ではない学校もある

この表を見ても分かる通り、通信制高校のメリットは全日制高校のデメリットに、全日制高校のメリットは通信制高校のデメリットとなります。これはどちらが良いという問題ではありません。自分に合っている方を選び、大学進学を目指してください。

通信制高校は人生終わり、大学進学もできない?

知恵袋や掲示板では「通信制高校に入学すると人生終わり」と言われることがあります。数十年前は通信制高校の卒業率がそれほど高くなく、大学進学率も低かったので外から見ている人たちはそのように思ったのかもしれません。そして、そのイメージは現在まで根強く残っています。
しかし、いまの通信制高校、特に私立の通信制高校は卒業と大学進学を強く意識しており、各学校がさまざまな受験対策を行っています。不登校の経験があり、授業を受ける機会が少なかった生徒は小学校や中学校の学び直しからスタートできますし、個別指導で学力の向上に力を入れている通信制高校もあります。実際、難関大学への進学実績も増えています。
どのような状況からも再チャレンジできるのが通信制高校の良いところです。通信制高校に入学したからといって人生が終わることはないので、安心して入学してください。

通信制高校からの大学進学は難しい、不利になるのか

通信制高校に在籍していても大学進学が不利になることはありません。大学側に「通信制高校の生徒は入学させたくない」といった偏見はなく、どの大学も「主体的に、継続的に学んでくれる生徒」を求めています。そのため、通信制高校のメリットとデメリットを理解した上で自分に合っている学校を選び、大学進学に挑めば「通信制高校に通った経験」が受験で大きな武器となることもあります。
通信制高校の生徒に最もオススメしたい受験方法が総合型選抜(旧AO入試)です。総合型選抜は志望書、小論文、面接をクリアすれば合格となりますが、不登校のように「通信制高校に行かざるを得なかったネガティブな経験」を乗り越え、自分の夢を実現するために大学に進学したい、といった志望理由を書ければ非常に大きなアピールポイントとなります。もちろん、そのためには過去の自分と向き合い、小論文や面接のトレーニングもしなければなりません。それでも、総合型選抜を活用すれば以前の弱みを強みに変えることができます。
また、一般入試を目指す場合でもカリキュラムの自由度が高い通信制高校なら受験勉強の時間を確保しやすく、自分の苦手科目の克服にもしっかり時間を割くことができます。全日制高校のようにクラスメイトと切磋琢磨する環境はないかもしれませんが、通信制高校の先生も勉強面、生活面、モチベーションのサポートをしてくれるので、勉強に取り組む意欲と根気があれば大丈夫です。

通信制高校からの大学進学は難しい、不利になるのか

知恵袋で通信制高校 大学進学について書かれていること

知恵袋で通信制高校 大学進学について書かれていること

通信制高校に入学すると、大学進学や大学生活、就職などで不利に働くのではないかと不安を覚える人が少なからずいます。ただ、同じタイプの生徒が集まりやすい高校とは違い、大学では留学生や社会人などいろいろな人が学んでおり、通信制高校の出身だからといって区別されることはありません。何か事情があったのかと通信制高校に入学した理由を聞かれることはあるかもしれませんが、その場合も通信制高校に入学した事情や高校生活でどんなことに取り組んだのかを話せば、むしろポジティブに受け取られるはずです。大学に進学すれば最終学歴は大学になるので、就職が不利になることもありません。

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大学進学に強い通信制高校の特徴紹介

通学を基本とした個別指導型 通信制高校やサポート校

PICK UP ・トライ式高等学院

「家庭教師のトライ」と同じ個別指導によって基礎学力を固められるサポート校です。友達と学校生活を送る「キャンパス通学型」と自宅で授業を受ける「自宅型」があり、途中で変更することもできます。また、高校卒業を目指す生徒のための「普通科コース」と大学進学を目指す生徒に向けた「特進科コース」があり、こちらも途中でコース変更が可能です。自分のペースや目標に合わせてカスタマイズしやすく、特進科コースからは難関大学合格者が多数輩出されています。

オンラインでの個別指導を行う通信制高校やサポート校

PICK UP ・ワオ高等学校

普段の授業はすべてオンラインで行われ、年2回のスクーリング時に岡山本校へ行きます。オンライン学習なので自分の時間や体調とのバランスが取りやすく、基礎科目の他にオリジナル科目の教養探究(哲学・科学・経済)や英語実践が用意されています。社会の問題に向き合い、物事の本質を探る探究活動を行うことで将来やりたいことを見つけるだけではなく、論理的に考える力や自己判断力を養い、大学入試の総合型選抜対策へとつなげています。

勉強アプリが充実した通信制高校やサポート校

PICK UP ・N高・S高

パソコン・スマートフォン・タブレットで学べる学習アプリを活用し、映像授業を見ることによって高卒資格を取るための学習を効率良く進めることができます。大学受験に関しては、予備校講師によるライブ配信授業を行い、生徒からの質問に講師がその場で回答する双方向授業を行っています。多様なコンテンツが用意されているので、自主的に配信授業を受けるような、自走できる生徒に向いている学校です。

週3~5日の通学、クラスで学びながら大学進学を目指す通信制高校やサポート校

PICK UP ・クラーク記念国際高等学校
・ID学園高等学校

クラーク記念国際高等学校とID学園高等学校は通学コースに力を入れている通信制高校です。週3~5日登校するコースなら全日制高校と同じようにクラスメイトと切磋琢磨して勉強できます。特に、クラーク記念国際高等学校は特化型教育や進路面談をはじめ適切な進路計画と学習方法を行い、2023年度は東京大学の合格者2名、学校推薦型選抜で名古屋大学の合格者1名を輩出しています。一方、ID学園高等学校は大手予備校・河合塾グループの河合塾マナビスと提携し、河合塾マナビスが提供する映像授業と学習サポートを受けることができます。

総合型選抜に強い、特化した通信制高校やサポート校

PICK UP ・代々木グローバル高等学院
・ASO高等部
・東京コミュニケーションアート専門学校 高等課程

自分の好きなことを学ぶことができ、高校生のうちから専門性を高められるのも通信制高校の魅力の一つです。代々木グローバル高等学院では長期留学を目指して英語を学ぶことができ、留学の目安となるIELTSやTOEFLのスコアを高めれば総合型選抜にも役立ちます。また、ASO高等部や東京コミュニケーションアート専門学校・高等課程のように専門学校が母体の通信制高校であれば、プログラマーやゲームクリエイター、イラスレーターなどさまざまな分野で活躍する道が拓けます。プログラミングを学んで実際にアプリを開発して発表したり、企業のインターンシップに参加しても総合型選抜でのアピールポイントとなるので、学校での学びを活かして大学受験を突破できます。

大学進学が可能な通信制高校の学費解説

大学進学が可能な通信制高校の学費解説

学費に関しては、基本的にオンラインの映像授業より先生に直接教わる方が高くなり、集団授業より個別指導の方が高くなります。つまり、マンツーマン指導でもオンラインより対面で教わる方が高くなります。また、通常の通学コースではなく、大学進学コースなど特別なコースを選択した場合にもプラスの費用が掛かります。このように、通信制高校の学費は選択したコースや学習スタイルの組み合わせから総合的に算出されます。
サポートが手厚くなれば学費も高くなりますが、全日制高校に通いながら学習塾や予備校に通う費用を考えれば、そこまで大きな差はありません。むしろ、生徒の学力や状況を把握している先生にサポートしてもらうことで生徒も保護者も安心でき、安心して勉強に打ち込める環境が学力向上につながるはずです。

通信制高校から大学に進学しても勉強についていけない不安

大学入試では推薦入試(総合型選抜/学校推薦型選抜)の枠が拡大しており、令和4年度には一般入試が41.7%、推薦入試が58.3%となりました(※)。推薦入試での合格を目指して小論文や面接のトレーニングに時間を割き、結果的に一般入試を受けなかった場合、勉強不足を自覚して「大学に進学しても勉強についていけないのでは…」と心配になる生徒がいるようです。通信制高校の生徒は総合型選抜での合格を目指す生徒が多いので、特にその傾向が強いのではないでしょうか。
確かに、小学校から高校までは国数英社理を地続きで学んでいました。どの科目も等しく学び、進級・進学のたびに少しずつ難解になったはずです。しかし、大学では経済、法律、文学、理工など自分の選んだ学部学科の授業を受けることになり、学年が上がるごとに狭く・深く学問を追求していきます。そのため、高校までの学力差を感じる機会は少なく、目的意識をもって学ぶことが何より大切です。目的意識をもち主体的に勉強に取り組めば、出身高校を問わず優秀な成績を収められるでしょう

通信制高校から大学に進学しても勉強についていけない不安

※令和4年度国公私立大学入学者選抜実施状況
https://www.mext.go.jp/content/20230123-mxt_daigakuc02-000027141_03.pdfより算出

岩田 彰人
教育メディア

株式会社プレマシード

教育メディアクリエイター

岩田 彰人

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