『通信制高校やめとけ』知恵袋の書き込みについて考える

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『通信制高校 やめとけ』に関する知恵袋や掲示板の書き込み

『通信制高校 やめとけ』に関する知恵袋や掲示板の書き込み

知恵袋や掲示板にはこんな書き込みがあふれています。しかし、その内容をよく見ると通信制高校に通っていたけど自分に合わない学校だった人、通信制高校に通ったことがない人、大して知らないのに噂や憶測をもとに書いている人、そんな人たちの書き込みも多くみられます。
通信制高校は2002年に創設された構造改革特区制度、中でも教育特区の施策により、株式会社が通信制高校を運営できるようになった辺りから多様化し、過去20年で大きく変わりました。そのため、40~50代の保護者が高校生だった頃とはまるで違います。昔のイメージで現在の通信制高校を見るのではなく、ネットの書き込みに左右されず、今の通信制高校を知った上で自分に合っている学校を選んでください

『通信制高校に行ったら人生終わり』について知恵袋で質問されていること

『通信制高校に行ったら人生終わり』について知恵袋で質問されていること

全日制高校から通信制高校に転入した人の中にも、後悔している人は少なからずいます。後悔する理由として多いのは、「自分に合わない通信制高校を選んでしまった」「必要なサポートが受けられない通信制高校に入学してしまった」というものです。 通信制高校の最大のメリットは、高卒資格を取るために必要な時間を最低限に抑えられること。その分、自由な時間があり、生活面では自己管理が求められます。特に公立の通信制高校では自学自習と自己管理ができなければレポートを進められず苦労するかもしれません。 一方、私立の通信制高校には学校生活に溶け込めるように先生のサポートがあり、不登校を経験している同じような境遇の仲間がいたり、学校行事などの仲良くなるきっかけもたくさんあります。転入前に「自分に必要なこと」を整理し、適切なサポートを受けられる学校を選べば後悔することはないでしょうし、実際に多くの卒業生が大学や専門学校に進学して就職しています。自分に合っている通信制高校ならば入学したからと言って「人生終わり」と感じることはありません。

『通信制高校だと世間の目は気になる』について知恵袋で質問されていること

『通信制高校に行ったら人生終わり』について知恵袋で質問されていること

通信制高校に通うことを世間からどう思われるか気にしてしまう。これは、親や友達など身近な人が通信制高校に対して悪いイメージを持っていると余計に気になるのでしょう。

① 近所や学校など近いコミュニティからの目が気になる

東京や大阪などの都市部にはいろいろな学校があるので、「通信制高校に通うのは変」と思われることは少ないかもしれません。しかし、地方にはいまだに根強く偏見が残っている傾向があり、そのような環境では「通信制高校に通うのは恥なのかな…」という悩みが生まれるかもれません。世間の目が気になって地元の通信制高校に通いにくい場合、「少し離れた通信制高校に電車で通う」ことで悩みを解決した生徒がいます。また、これまで関わったことがないような人と通信制高校で新しいコミュニティをつくることで、通信制高校に入学したことをポジティブに考えられるでしょう。

② 学歴や将来に対して漠然とした不安を覚えてしまう

通信制高校に通うことをネガティブなものからポジティブなものに変えることができれば、何事にも前向きにチャレンジできるようになります。中学までは不登校だったのに留学して英語が話せるようになり、グローバルに活躍することを夢見て大学受験を目指したり。あるいは、好きなプログラミングやeスポーツで仲間を見つけて大会に出場し、ゲームデザイナーになる夢を叶えるために専門学校に進学したり。10代が将来に対して不安になるのは当たり前のこと。大切なのは、その不安を自らの意思で打ち消すことができるかどうかです。

『通信制高校は甘えて逃げている』について知恵袋で質問されていること

『通信制高校は甘えて逃げている』について知恵袋で質問されていること

通信制高校に通っているのは、学力不振、不登校、先生や周囲とのコミュニケーション不安などによって、「学校に居場所がない」と感じていた生徒が多いです。また、「勉強よりもやりたいことがある」「病気の治療を優先したい」など、全日制高校の仕組みの中では対応が難しい生徒の受け皿になっています。 通信制高校に通う生徒はそうした悩みを解決するために入学しており、極めて合理的な選択をしたと言えます。また、高卒資格を取得するにはレポートを提出し、スクーリングを行い、テストを受けて単位を取らなければなりません。「通信制高校に通うのは甘え」というのは見当違いな話ですし、悩む必要なんてありません。

『通信制高校ってずるくないですか』について知恵袋で質問されていること

『通信制高校ってずるくないですか』について知恵袋で質問されていること

通信制高校と全日制高校のメリット・デメリットはコインの裏表です。
通信制高校のメリットは、高卒資格を取得のための勉強時間は少なく、自由な時間が多いことが挙げられます。時間の使い方はその生徒の自由なので、大学進学のために受験勉強を頑張ったり、やりたいことに時間を使って構いません。しかし、自由な時間が多いゆえに普段の生活では自己管理が求められます。また、全日制高校のように「クラスメイトのほとんどが大学を受験する」という状況が生まれにくく、みんなで切磋琢磨する環境ではありません。個人のペースで勉強を進めるケースが多いようです。
一方、全日制高校であれば学校の授業はカリキュラム通りに進み、通信制高校に比べると自由な時間は少ないです。予備校にも放課後の限られた時間に通うのが一般的です。ただ、勉強の進捗や理解度などは日々の授業や定期テストを通して知ることができ、規則正しい生活も送れます。休み時間には友達とどの大学を受験するか話し合い、勉強へのモチベーションを高めることもできます。
通信制高校と全日制高校のメリット、デメリットはそれぞれあり、どちらが良い、というものではありません。自分に向いている学校、必要な学校を考えて学校選びをしてください。

『通信制高校には普通の子は行きますか』について知恵袋で質問されていること

『通信制高校には普通の子は行きますか』について知恵袋で質問されていること

普通の子とは何でしょうか? 全日制高校に毎日通い、高校生活も勉強も部活動も頑張っている子のことでしょうか? 一見すると、「理想的な高校生」が普通の子として扱われているように感じます。
集団生活は苦手だけど、数学が好き、英語が好き。勉強は苦手だけど、絵やイラストを描くのは得意。体調不良が続いて学校には通えてないけど、将来の夢に向かって頑張りたい。
一人ひとりが個性を持っていて、その多様な個性の受け皿となっているのが通信制高校です。「普通の子は通信制高校に通わないんじゃないか…」なんて心配する必要はありません。

『子どもが通信制高校に行きたいと言ったら』について知恵袋で質問されていること

『子どもが通信制高校に行きたいと言ったら』について知恵袋で質問されていること

全日制高校でも通信制高校でも、最も大切なのは高卒資格を取ることです。これは同じです。高卒資格を取ることで、「もっと勉強したい」「将来役立つスキルを身に付けたい」と思えば大学や専門学校に進学できます。
そして、高卒資格を取ることを第一に考えるのであれば、「全日制高校と通信制高校のどちらに良いか」と考えるよりも、「自分に合う学校はどこか」という基準で学校を選んだ方が良いでしょう。全日制高校であろうと通信制高校であろうと、自分に合わない学校だと転入する羽目になり、余計な労力がかかるかもしれません。それこそ大きなデメリットです。
自分に合う学校を探すためにも、現在の通信制高校がどのような学びの場所なのかを知るのは重要なことです。特に、全日制高校から転入する場合は単位の引き継ぎに注意しなければなりません。同級生と同じタイミングで卒業するにはすぐに転入するよりも年度末まで待った方が良い場合もあるので、転入を考えはじめたらなるべく早く通信制高校の先生に相談しましょう。

『通信制高校 転入 後悔』について知恵袋で質問されていること

『子どもが通信制高校に行きたいと言ったら』について知恵袋で質問されていること

通信制高校は学校によって登校日数が異なり、学習形態(個別指導/オンライン)や課外活動の活発具合も違います。例えば、「友達と一緒に文化祭や体育祭、修学旅行などさまざまな学校行事を楽しみたい。高校生活をエンジョイしたい」と思っている生徒が、「家に近いから」という理由だけで大学受験合格を目指す個別指導型の通信制高校に入学すると、希望と現実のギャップから青春コンプレックスを抱いても仕方ありません。
また、「オンラインで勉強したい」と思っていても、その上で友達をつくりたいのか、つくりたくないのかによって、映像授業を受けられればOKと考える生徒もいれば、バーチャルの学校に登校していろいろな人とチャットでコミュニケーションを図れて楽しいと感じる生徒もいます。
通信制高校は学校ごとに特徴が違い、希望の叶い具合によって学校への満足度に大きな差が出るからこそ、「家に近い」「学費が安い」といった理由だけではなく、学校の雰囲気が合っているか、やりたいことができるかなどを事前に調べておく必要があります。そのためにも入学前は複数の学校の個別相談会に参加していろいろな学校を見学しておきましょう。そうすれば入学後に希望と現実のギャップに苦しむことはないはずです。

岩田 彰人
教育メディア

株式会社プレマシード

教育メディアクリエイター

岩田 彰人

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