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子どもが通信制高校へ入学することになれば、親は通信制高校の現実を知ろうとすると思います。どんな学校なのか、実際に通っている生徒はどんな子たちなのか、気になることではたくさんあるでしょう。そして、知恵袋や掲示板で「通信制高校はやめとけ」といった言葉を見ると、「やっぱり無理してでも全日制高校に居続けた方が良いのではないか」と感じるのも無理はありません。大学進学や就職で不利になるのではないか、これで子どもの人生は終わってしまうのではないかと不安は尽きないでしょう。通信制高校に通うことで世間から奇異な目が向けられるのではないかと思う人もいるかもしれません。
しかし、通信制高校に入学しても現実的に人生が終わることはありません。なぜなら、通信制高校に入学することで自分のペースで学校に通えるようになるからです。不登校の経験があっても高卒資格を取得でき、社会的に自立できるようになります。通信制高校の自由度の高い環境で留学などやりたいことにチャレンジしている生徒が大勢います。通信制高校への入学が決まっても悲観せず、むしろ子どもの背中を押してあげてください。
自分が高校生だった頃のイメージから、「通信制高校に入学すれば人生終わり」と思っている保護者はとても多いです。親の気持ちとしては「できれば全日制高校に通ってほしい」というのが本音でしょう。ただ、全日制高校で不登校になった子どもが通信制高校に転入したことでさまざまなプレッシャーから解放され、改めて学校生活を楽しめるようになった例がたくさんあります。全日制高校で学校生活を楽しめていないのなら通信制高校に転入して高校生活をやり直すのは効果的な方法です。
保護者の方には子どもに必要なサポートは何なのかを考え、その上で今の通信制高校がどのようなことに取り組んでいるのかを知ってほしいと思います。そのためにも、まずは通信制高校に抱いていたかつてのイメージを捨ててください。不登校の子どもが通信制高校に興味を示しているのなら、一緒に個別相談会や合同説明会に参加してみるのも良いでしょう。ぜひ親子で通信制高校への理解を深めてください。
通信制高校に通っているのは普通の子ではなく、何かしらの問題を抱えている生徒だと思っていないでしょうか。確かに、一昔前の通信制高校には全日制高校を退学処分になった生徒が集まっていました。しかし、時代の変遷と共に通信制高校は不登校の受け皿となり、コロナ禍でオンライン学習に馴染んだ生徒たちは引き続き自由度の高い環境を求めて主体的に通信制高校を選ぶようになっています。
普通の子でなくても人生は終わりませんし、そもそも普通の子とはどのような子どものことでしょうか。全日制高校に通う生徒を普通と定義するのであれば通信制高校の生徒は普通ではないかもしれませんが、学校で気の合う友達をつくり、好きなことにチャレンジし、さまざまな経験を通して人を思いやる気持ちや努力する大切さを理解するようになれば十分ではないでしょうか。それに、通信制高校でやりたいことを見つけて大学や専門学校に進学したり、希望の仕事に就職した生徒はたくさんいます。通信制高校を卒業しても一人の人間として自立した人生を歩めるはずです。
子どもが通信制高校に行きたいと話したら、親としてどのように感じるでしょうか。子どもの状況にもよるでしょうが、「それでも全日制高校に行ってほしい」と思うのではなく、ましてや人生終わりと悲観するのではなく、できれば通信制高校に行きたい理由を聞き、「それなら通信制高校に行ってみよう、説明会や相談会に参加してみよう」と背中を押してあげてください。
全日制高校で不登校になり通信制高校に転入したいならまだしも、中学卒業後にストレートで通信制高校に進学したいと言ってきた場合は話が違ってくると思う保護者もいるでしょうが、近年は中学卒業後の進学先に通信制高校を選ぶ生徒も増え、「不登校じゃない生徒も行く学校」になってきました。親が子どもの通う学校を知る意味でも、入学前に個別相談会やオープンキャンパスに参加して学校の様子や雰囲気を確かめておくのをオススメします。
中学校から通信制高校に進学した場合も、全日制高校から通信制高校に転入した場合も、「もう人生終わり」と感じるほどのデメリットはありません。むしろ、生徒によっては通信制高校に通うことで大きなメリットを得られます。
通信制高校は全日制高校に比べてカリキュラムの自由度が高く、登校日数も自分で選べるコースがあります。そのため、上記に該当するような生徒は空いた時間を自分のやりたいことに費やせるのです。不登校経験があり中学校にはほとんど通っていなかったような生徒も、学び直しができる通信制高校に通えば改めて勉強の基礎からやり直せます。そうすれば3年後には大学受験に挑むことも可能です。全日制高校では諦めなければならなかった将来も、通信制高校なら実現できるかもしれません。
子どもが通信制高校に入学することで、親が最も気になるのは世間の目かもしれません。特に地方であれば、幼少期から良く知っている子どもの同級生と、その保護者がいるはずです。同級生が全日制高校に通っていて、自分の子どもが通信制高校に通っていれば、親同士の間で「なぜ子どもを全日制高校に行かせなかったのか」という話題にもなるでしょう。「昼間に学校に行かなくて良いのか」「毎日学校に通わず何をしているのか」など、通信制高校のシステムに関する話などはイチイチ説明するのも面倒でしょうし、悪意がなかったとしてもいろいろな人から質問攻めにあえば余計に世間の目が気になってしまうかもしれません。
そんな時は、ぜひ子どもに通信制高校の話を聞いてみてください。小学校や中学校、全日制高校とはまったく違う通信制高校は子どもにとっても目新しく、通信制高校に通いはじめてから親子間のコミュニケーションが増えたという家庭も多いです。子どもの話に耳を傾け、学校で楽しんでいる様子を知ることができれば世間の目も少しずつ気にならなくなるでしょう。