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大学進学が目標とされるのは、通信制高校選びの判断材料や、学歴が将来の評価基準としてわかりやすいという理由があります。しかし、大学進学・進路決定そのものがゴールではありません。
自分軸でしなやかに生きていくために、持っておくと良い視点や考え方は何なのか。Be高等学院の上木原学院長にお話を伺いました。
通信制高校において、なぜ大学進学が大きな目標とされるのか?その理由の1つは「わかりやすいから」です。生徒が希望する大学に、どれだけ進学させることが出来たのかというデータは実績としてとてもわかりやすく、通信制高校を選ぶ生徒や保護者にとって大きな判断材料になります。ですので学校にとっても、アピールポイントになってくるのです。
また、大学進学によって得た学歴は、就職など将来の評価基準の1つになります。
18歳までに努力して手にした学歴が、将来にわたって自分の武器になる。そう考えると、とても価値のあるものです。それをわかっているからこそ、大人は大学進学を大きな目標に設定しているのです。
しかし、大学進学は自分がより良く生きるための手段の1つに過ぎないはずが、それ自体が目的化してしまうという問題があります。
大学進学を含めて通信制高校の進学や就職などの、進路決定率はどんどん上がってきています。その反面、進んだ先で辞めてしまう生徒も約20%いるというデータもあります。辞めてしまう理由としては、通信制高校に通っていた時との登校日数や生活リズムの違い。また通信制高校での少人数やマンツーマン指導での授業は、学校や先生に依存心を与えやすい状況に陥りがちになり、大学へ進み、授業や先生との関係性の変化に適応し辛くなってしまうという問題があります。
社会や大学入試のあり方が急速に変化している中で、そのスピードと高校でのキャリア教育の変化のスピードには乖離が生まれてしまい、それも理由の1つになっているのかもしれません。
多様化が進む中で「良い大学に進むことで将来が保障される」という時代では無くなってきています。
そういった時代の中で、どうやってしなやかに生きていけるかが大切です。
大学進学がゴールではないと言いながらも進学を目標に定めて、実現させるために努力することはwell-being(身体的、精神的だけでなく、社会的、経済的にも満たされていて良い状態)に近づく手段の1つです。例えば、医師を目指すためには医学部に進学しなければなりません。他にも自分が目指したい道へ進むために、学歴が必要となり、力となる場合があります。しかし大学進学はあくまで「やりたいこと」「進みたい道」という自分軸を実現するための手段の一つです。社会と繋がりながら生きていく力を身につける(自立する)ために、高校3年間の中で自分の強みや弱みを見つめること。そして、それを人に伝えられるようになることが大切です。
自分軸で、自己決定をして踏み出す力を持つことで、たとえ環境が変化したり、困難な問題が起きた時でも、乗り越えてしなやかに生きていくことが出来ます。
人生は進路決定後の方がずっと長いです。総合型選抜などの大学受験はあくまでも手段です。この先も続く人生をしなやかに、よく生きていくための力を身につけていきましょう。