メインメニュー
ネットコースではどんな風に勉強を進めるのか、気になる人も多いのではないでしょうか。明聖高等学校のネットコース(※)を例に出すと、入学後は学習の進め方などのオリエンテーションを動画で行います。そして、授業動画が毎月配信され、自分のペースで視聴。動画終了後に理解度を確認する小テストに回答しながら学習を進めます。
単位を取るために必要なレポートもWEBで送られてくるので、提出期限に間に合うよう自分でスケジュールを管理しながら取り組みます。
明聖高等学校の場合は『サイバー学習国』というバーチャルスクールがあり、スマホやパソコン、タブレットを起動したら登校です。チャットでクラスメイトと会話したり、授業でわからないところを先生に質問したり、オンライン上で学校生活が繰り広げられていきます。体育祭や文化祭などの学校行事もバーチャルスクールで行います。
ネットコースには不登校や引きこもりなど、何かしらの理由で中学校や高校に登校できなくなった生徒も多く在籍しています。そのような生徒たちに、バーチャルスクールの中でいろいろな人とコミュニケーションを図り、授業をとおして刺激を受け、社会とのつながりを感じてほしいと思っています。そのためのサポートも手厚いのがネットコースの特徴です。
※ 一般的なネットコースに該当する明聖高等学校のコース名称は「WEBコース」となります。
ネットコースのメリットは通学が不要になることで時間にゆとりが生まれることです。習い事、予備校、留学、病気の療養など、やりたいことや必要なことに多くの時間を割くことができます。授業も動画を視聴する形なので、いつでも、どこでも、何度でも学ぶことが可能です。
金銭面でも通学の交通費がかからず、学費自体も安く設定されています。これは全日型のコースの方が、先生や設備など学校としてより多くのリソースが必要になるからです。そのため、学費面からネットコースを選ぶ家庭もあります。
一方、デメリットを挙げるなら、オンラインという特性上、システム障害などがたまに発生します。ネット環境の構築が必須となること、システム障害で勉強が中断するケースがあることが、デメリットといえます。
そして、体育祭や文化祭のような学校行事が疑似体験になってしまうことです。リアルで友達とワイワイ話しながら文化祭の準備を進めるのとはやはり異なりますし、バーチャル空間の行事が生徒たちにどれほど良い影響を与えられるかどうかについては今後も学校側が注意深く見守っていかなければならないと感じています。
ただ、不登校や引きこもりだった生徒が疑似体験でも学校行事を体験し、卒業式を迎えることができれば「自分でも3年で卒業できた」と達成感を得られるでしょうし、物事を好転させるきっかけになるのではないかと思います。
学校やコースを選ぶ上で注意してほしいのは、金額に見合う教育保障やサポートがあるかどうかです。授業動画の内容だけではなく、将来を見据えた時に生徒本人がどうなりたいのか、そのための仕組みやケアが整っているかを確認してください。
例えば、入学時点では登校できなかったとしても、「ゆくゆくは登校できるようになりたい」と考えているのであればネットコースから通学型のコースにスムーズに変更できる学校を選ぶ必要があります。通学して気軽に話せる友達や相談に乗ってくれる先生が身近にいれば、進路についても自然と考えるようになります。このステップを踏めるかどうかで卒業後の進路や生活が変わるので、通学や人間関係などの目標に沿って指導・サポートをしてもらえるか確認し、「いま」と「将来」をどちらも考慮して学校・コースを選びましょう。
不登校や引きこもりから社会人までネットコースにはいろいろな生徒が在籍していて、それぞれの目標と悩みがあります。その目標を達成するために必要な幅広い希望や悩みに対して柔軟に対応できるのが通信制高校の良いところです。1人ひとりに適した学びを提供するためにも、まずは相談会などに参加して希望や悩みを教えてください。
日本はいま少子化であり、高校生全体の数が減少しています。そんな中、通信制高校の生徒数は29万人を超え、高校生の11人に1人にのぼっています。通信制高校やネットコースを選ぶ生徒も増えていますし、選択肢の1つになっています。各学校・コースに特徴があるので、きちんと比較して自分に合っている学校・コースを見つけてください。