通信制高校のマンガ・イラストコースはあなたの夢への近道

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「漫画が好き」「絵を描くのが好き」という想いから通信制高校のマンガ・イラストコースを志望する生徒が増えています。ただ、「高校生のうちから専門分野を学ぶ必要があるのか」と疑念を抱く人も多いようです。
そこで、マンガ・イラストコースを設けている『北海道芸術高等学校 東京池袋サテライトキャンパス』の杉本良行先生にマンガ・イラストコースの内容や生徒の特徴、卒業後の進路まで詳しくお話しを伺いました。

描きたい!その想いが一番大切

描きたい!その想いが一番大切

マンガやイラストコースも多くの生徒に人気のあるコースです。通信制高校でも基本的なデッサンからデジタルイラストでの作画、マンガならではの表現方法などを学ぶことができます。
「マンガ・イラストコースに入るような子はみんな絵が上手いのだろう」と思うかもしれません。確かに入学前から上手な生徒もいますが、本格的に絵を描くのは初めてという生徒もいます。そして、初めて絵を描く生徒もプロの先生に基礎から習うことで着実に上達していきます。入学前の上手さはあまり関係なく、「マンガを描きたい、イラストを描きたい」という気持ちが最も大切です。

マンガ・イラストコースを志望する生徒の特徴としては、大人しく、もともと不登校だった生徒も多いです。家にいる時間にちょっと絵を描いてみて「こうした方が良いかな」と試行錯誤するうちにのめり込み、次第に絵を描くことが好きになり、「プロの漫画家やイラストレーターに教えてもらえるなら通ってみよう」と入学する生徒もいます。マンガ、イラスト、デッサンなど、形は違っても絵を描くには集中力が必要なので、このような生徒は実際に絵を教わると自分の強みを伸ばしていけます。
ただ、マンガやイラストだけを学べば良いというものでもありません。歴史物のマンガを描くなら実際の歴史の知識が役立つように、一般科目も勉強することが幅広いスキルアップにつながります。

「描く」ことで人の輪も広がっていく

「描く」ことで人の輪も広がっていく

さまざまなコースを設けている通信制高校に対して、「高校生のうちから専門分野を学ぶ必要があるのか」という意見をいただくことがあります。しかし、専門学校は多くが二年制のため、学べるのは1年間しかなく、残りの1年は就職活動に充てられます。高校生のうちから専門分野を学べば、より長く深く習熟することができるのです。
また、保護者の方は「絵なんて家でも描けるだろう」と思うかもしれませんが、重要なのは「学校で友達と好きなものを共有できる」ことです。例えば、漫画やアニメを見ることはあっても「このイラスト―レーターの色使いが好き」「あのVTuberの絵柄が好き」といったコアなやり取りは好きな者同士でしかできません。実際、『北海道芸術高等学校』のマンガ・イラストコースに通っている生徒からも「中学では同じ趣味の人がいなかった」「話しの合う友達がいなかった」とよく聞きます。

マンガ・イラストコースには不登校だった生徒も多いですが、『北海道芸術高等学校』では出席率は約8割です。最初は会話をすることに抵抗があっても、カバンに付けている推しのバッジなどお互いの持ち物から好みが分かるので会話のきっかけを掴みやすく、話も自然と盛り上がり、同じ趣味をもつ生徒たちが集まっていきます。話し相手ができたことで毎日登校するようになった生徒もいますし、「描くのが好き」という共通点から人の輪も広がっていくのです。

「描く」を通して身に付けた想像力、表現力は武器になる

「描く」を通して身に付けた想像力、表現力は武器になる

通信制高校のマンガ・イラストコースに入り、プロの漫画家やイラストレーターになれるのか。結論から言うと、どちらも一筋縄ではいきません。漫画家は大手漫画誌でデビューしたければ今も昔も新人賞で入選しなければなりません。イラストレーターは自称すればなれますが、依頼されてお金を稼げるようになるには多くの人に支持されなければなりません。ただ、漫画家もイラストレーターも仕事にするのが難しい職業だと生徒も保護者も理解しているため、卒業後は芸術系の大学や専門学校に進み、引き続き学ぶことを選択するケースが多いです。『北海道芸術高等学校 東京池袋サテライトキャンパス』では3割が芸術系の大学、5割がイラスト系の専門学校に進学し、2割が他分野での大学進学や就職を選んでいます。
マンガ・イラストコースから美大を目指す場合は、学力を問わない総合型選抜(旧AO入試)や指定校推薦での受験が多く、デッサンなどの課題が試験内容となります。一般入試で入学するには学力試験に加え、試験当日にデッサンなどを行います。試験対策としては一般入試の方が大変なので、一般入試を受験する場合は美術系の予備校を併用して合格率を高める生徒もいます。

高校卒業後すぐにプロになることは難しいですが、「絵が好き」という想いはコミュニケーションの手段となり、「描くスキル」は自己表現の武器となります。通信制高校で磨いた武器を使って人と関わるようになれば成長するきっかけを掴めるので、マンガやイラストを通して自己成長へとつなげてください。

マンガ・イラストコースには不登校だった生徒も多いようです。しかし、好きなことを学び、さらに友達と共有できることで学校が楽しい場所となり、生徒は自発的に登校するようになります。絵を描くことを通してコミュニケーション力や想像力、表現力も磨けるので、絵を描くのが好きなら、絵を学びたいと考えているなら、マンガ・イラストコースで成長のきっかけを掴みましょう。

杉本 良行
通信制高校

北海道芸術高等学校東京池袋サテライトキャンパス

キャンパス長

杉本 良行