小学生の不登校を正しく理解して早期の改善を目指すには

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小学生は学年が上がるにつれて心身両面が大きく成長します。不登校の理由も学年によって変わってくるため、対応方法もその都度異なります。また、小5、小6になると性別差も大きくなり、成長の早い女子は羞恥心も芽生えてきます。学研のサポート校 WILL学園の山下先生は、不登校の早期改善には正しい理解が必要だと話します。不登校になりやすい家庭の特徴や子どもが不登校になった場合の相談先、不登校の改善に必要な社会との接点の持ち方などについてお話を伺いました。

小学生は学年ごとに心身が成長する。不登校には学年や性別の差を考慮して対応

小学生は学年ごとに心身が成長する。不登校には学年や性別の差を考慮して対応

小学生は学年が上がるにつれて心身両面が大きく成長する年代です。そのため、学年や成長度によって不登校になる理由や対応方法が変わります。例えば、勉強や運動が周囲に付いていけなくても、低学年なら「まだ成長が追い付いていないから」と見なされ、高学年なら「本人の特性かもしれない」と判断されることが多いでしょう。
また、小学生の頃は一般的に女子の方が成長は早く、高学年になれば羞恥心も芽生えてきます。身体の特徴や変化をからかわれた場合も男子より女子の方が傷つきやすいため、性別差を考慮しなければなりません。

子どもの世話を焼きすぎても、まったく関心がなくても、不登校のきっかけになる

子どもの世話を焼きすぎても、まったく関心がなくても、不登校のきっかけになる

不登校になりやすい家庭には、理解がありすぎるケースとまったくないケースの2パターンがあります。子どもに世話を焼きすぎ、本人が乗り越えなければならない壁に対して親が何段も踏み台を用意してしまうと子どもは自力で壁を乗り越える機会を失い、成長するタイミングを逸します。一方、子どもへの関心が薄く、子どもに過度な負荷がかかる状態でも不登校になるきっかけは生まれます。
結局、子どもへの関心や干渉においてはバランスの良い状態をつくることが大切なのです。

一人で抱え込むのはNG。子どもが不登校になったら学校の先生や専門家に相談しよう

一人で抱え込むのはNG。子どもが不登校になったら学校の先生や専門家に相談しよう

小学校で不登校になった場合、学校では担任の先生や養護教諭、スクールソーシャルワーカーなどを含むチームで対応する方針を取ります。まずはこの3者に相談してください。特に小学校には福祉的な観点を持ち、不登校対応に慣れた先生もいるので、スクールソーシャルワーカーの専門的な知見も取り入れながら改善策を考えましょう。
学校以外にも、教育支援センター(適応指導教室)や民間のフリースクールなど不登校の相談ができる場所は意外とたくさんあります。保護者は決して自分たちだけで抱え込まず、子どもに不登校の傾向が見られたらなるべく早いうちに学校の先生や専門家、専門機関に相談してください。

不登校になっても、社会との接点を持ち続けていれば不登校の改善につながる

不登校になっても、社会との接点を持ち続けていれば不登校の改善につながる

小学生の不登校は数も質も変化しています。以前は高学年の5~6年生が多かったですが、直近の文科省のデータでは低学年の生徒も増えてきました。質の面では、中学年の3~4年生でも医療機関で発達障害などの診断をされるケースが出てきています。これは、家庭でも医療現場でも発達障害などへの理解が進んできたからでしょう。

発達障害だからと言って不登校になるわけではありません。ただ、発達障害の影響で学校が辛い場所になっているのなら無理に通わせず、本人に合う対応を検討するべきです。不登校になりやすい家庭の例のように適切なバランス感覚を持ち、子どもへのベストなサポート方法を考え続けることが大切なのだと思います。

個人的には、不登校期間は短い方が良いと思っています。学校に行かず、家族という同質の人としか関わらない時間が増えると外部からの刺激が減り、成長機会も少なくなります。不登校の改善を考える場合も学校への復帰にこだわるより、社会との接点やコミュニケーションがある環境をつくることが重要です。外部からの刺激を受けられる環境に身を置いていれば視野や興味が広がっていき、不登校の改善にもつながります。

山下 祐典
サポート校

学研グループ・株式会社学研エル・スタッフィング 学研のサポート校WILL学園

統括責任者

山下 祐典

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