起業・ビジネスを通信制高校で学び、社会で生きる力を養う

PICKUP 起業・ビジネス 高校生

起業家を育成するための高校生に向けたビジネスコンテストが増え、ユーチューバーやゲーム配信者の存在も起業を身近に感じるきっかけになっています。高校生のうちからビジネスや起業について学びたいという生徒が増えたことで、通信制高校の中には経営者からビジネスを学んだり、起業体験やビジネスコンテンストに挑戦できる「起業・ビジネスコース」も誕生しています。ビジネスプランを考える過程で思考力が培われ、将来を見据えて大学進学を考える生徒も多いそうです。言葉のイメージから難しそうに感じるかもしれませんが、授業は高校生向けにアレンジされているので興味があれば積極的にチャレンジしてください。

SDGsへの理解やユーチューバーの影響で起業が身近なものになっている

SDGsへの理解やユーチューバーの影響で起業が身近なものになっている

世の中のIT化が進み、多くの業種で「AIに仕事を奪われる」と言われるようになりました。同時に、どれだけ技術が進歩してもAIやロボットには代替えできない仕事もクローズアップされています。それが、クリエイティブな思考力を活かした仕事です。

また、IT化によって年齢や資本に関係なくビジネスを始めやすくなり、近年は高校生向けのビジネスコンテスト(以下、ビジコン)も盛んに行われています。その結果、ビジコンを意識して課題の発見と解決に取り組み、在学中にビジコンにチャレンジする高校生も増えてきました。

この傾向には、SDGsへの理解が広まり、人の役に立ちたいと思う生徒や社会に高い関心を示す生徒が増えてきたことも関係しています。不登校になった自身の経験から子どもの居場所をつくるビジネスにチャレンジする生徒もいるほどです。加えて、ユーチューバーやVtuber、ゲーム配信者も自分たちでビジネスを創って収入を得ていると言うことができ、いつも見ている存在が自力で収益を生む姿を見て起業が身近なものになっているようです。

経営者からビジネスを学び、文化祭で株式会社も設立する

経営者からビジネスを学び、文化祭で株式会社も設立する

このような流れを受け、ID学園高等学校では起業・ビジネスコースを設けています。メインは、東証プライム上場企業の創業者であり現役経営者を務める理事長・渡邉美樹が直接指導する「起業塾」。ビジネスとは何かを渡邉が講義し、12業種の社長を毎月招いて業種の概要や社長になった経緯などを語ってもらっています。

他にも、起業体験プログラムとして文化祭を活用。文化祭での出店を一つの起業と捉え、リサーチ、ターゲティング、マーケティングを自分たちで行い利益が出るお店づくりを考えます。学園のOB・OGにプレゼンし、ダメ出しを受ければ改善して資金を調達。その上で株式会社を設立し、公認会計士に収支計算まで依頼します。

学びと実践を通して起業家としての心構えを養ったら、ビジコンに参加。過去にはカンボジアに行った経験を活かしてサトウキビを使ったSDGs製品を作りたい、と発表した生徒が優勝したこともあります。

ビジネスを考えると世の中の仕組みが見え、進学や就職時の強みになる

ビジネスを考えると世の中の仕組みが見え、進学や就職時の強みになる

自分でビジネスプランを作っていると考える力が身に付き、世の中の仕組みも見えてきます。問題や課題を解決することで感謝とお金を得られるのだと気付けば、これまで無意識に受けていたサービスなどもしっかり意識するようになり、社会がどう成り立っているのかを知ることができます。大学や社会人になってからではなく、高校生のうちから知っておけば、大学進学でも将来を見据えて動くようになります。

「起業・ビジネス」という言葉に対して敷居の高さを感じるかもしれませんが。国数社理英に加えて起業・ビジネスという学問が並んでいるとイメージしてみてください。起業・ビジネスを加えることで、基礎学力と社会で生きる力を身に付けることができます。そして、社会人になった時に応用力が求められるのは基礎科目ではなく、ビジネスにおける考え方や行動力です。高校生にも学びやすいようアレンジしているので難しく考えず、気軽にチャレンジしてください。

古澤 勝志
通信制高校

学校法人郁文館夢学園 ID学園高等学校

学校長

古澤 勝志