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ネットで学べる通信制高校が増え、個別相談会などではネットコースでの学習方法や学校ごとの違いについての質問が多くなっています。しかし、ルネサンス高等学校の栁澤先生によると、まずは単位取得の条件である「スクーリングに問題なく通えるかどうか」を確認するべきだそうです。
スクーリングは学校によって異なり、指定場所に毎月通うタイプや年４～５日程度の集中スクーリングなどさまざまです。時間・場所・環境に左右されずに学べるネット学習コースであっても、スクーリングに無理なく通えるか、適切なサポートが受けられるかをしっかり確認し、その上でやりたいことにチャレンジしてください。
ネットで学びながら高卒資格を取得できる通信制高校が増えてきました。相談会では、「どのように学習を進めるのか？」「学校によって何が違うのか？」という質問を受けることが多いため、自分に合った通信制高校の見つけ方からネット学習の内容までここで説明したいと思います。
通信制高校は①レポート、②スクーリング、③テストをクリアすれば単位を取得でき、３年間で74単位以上を取れば卒業できます。レポートとは教科書に応じた問題集で、ネットコースではパソコンやタブレット、スマホで問題を解き、解答を送信できる仕組みになっています。レポートは各学校が作成しているため問題は異なりますが、難易度に大きな差はありません。そのため、ネットコースにおける学校選びではレポートよりもスクーリングの方法を重視した方が良いでしょう。スクーリングとは対面授業のことで、年20日程度の登校が必要となります。ネット学習を活用すればスクーリング日数を短縮できる減免制度があり、最短で年４～５日の集中スクーリングを行っている学校もあります。ただ、スクーリング会場が遠方の場合もあるので、「スクーリングに問題なく通えるかどうか」が学校選びの判断基準となります。
判断基準としては学習内容も重要です。ネットコースでは通学して先生に教わらない代わりに各学校が学習動画を用意しています。これはレポート作成をスムーズに進めるためのもので、１本が１時間半～２時間にまとめられています。数十分ごとに問題を１～２個設けるなど飽きない工夫もされており、動画を見れば無理なくレポートが解けるようになっています。その他、単位を取るために必要なレポート数なども事前に確認し、学校選びの参考にしてください。
ネットコースにも学校ごとにさまざまなオプションがありますが、オプションはあくまでオプションです。まずはスクーリング方法とネット学習の内容を重視して学校を選びましょう。
ネット学習の最大のメリットは、時間・場所・環境に左右されずに学べることです。朝起きるのが苦手でも、学校に登校しなくても、自分のペースでいつでも、どこでも、何回でも学習できます。また、時間を自由に使えるため勉強以外の選択肢も増えていきます。やりたいことが決まっていたり、興味の幅を広げたいなら、使い方次第で時間を有効活用できるはずです。
逆に、デメリットは自由すぎることです。中学３年生まで時間を縛られていたのに、急に何をしても良いと言われると子どもたちは困ってしまいます。学校生活もないため、自学自習できるか、学校のサポートがあるのか、子どもの特性に合わせて確認しておきましょう。
ネットコースに入学する生徒は、以前なら社会人や転・編入がほとんどでした。しかし、現在は中学を卒業した新入生が過半数を占めており、中学生の進学先の一つになっています。生徒の年齢層は変化していますが、学習動画はどの科目も同じ流れで作られ、ゲーム感覚でクリアできる構成になっています。難解すぎてまったく進まない、ということはないので安心してください。
ネットコースでは時間が自由に使える分、アルバイトなどさまざまなことにチャレンジしてほしいと思っています。失敗も経験の一つです。上手くいかなくても、どうすれば上手くいくのかと考えることが次への糧となりますし、簡単なことを繰り返す軽作業であっても、そこから志向性を探っていけば本当にやりたいことが見つかるきっかけになるかもしれません。時間が有り余っているうちに多くの経験を積んでおきましょう。
中学の頃までは、関わる大人といえばあくまで限定的なコミュニティの中だけだったと思います。でも、高校生になればこれまでのコミュニティ外で社会を経験できます。いろいろな人と接することでコミュニケーション力が備わり、社会学習が将来にもつながるはずです。ネットコースのメリットを活かし、時間を有意義に使ってください。
