通信制高校は近いだけで選んじゃダメ。スクーリングや通学の問題から解説

PICKUP 通信制高校 近い

通信制高校を選ぶ際は「家から近い学校」を探してしまいます。「毎日は無理かもしれないけど、週1~3日なら登校できるはず。それなら近い方が通いやすい」という意識が働くのかもしれません。しかし、しばらくの間不登校だった生徒が、通信制高校に入学したからといっていきなり登校するのはやはり難しく、適切なサポートが必要になります。また、通信制高校を卒業するにはスクーリング(対面授業)への参加が必須となるため、スクーリングに参加しやすいかどうかも重要なポイントです。スクーリングの仕組みを知り、自分にとってベストな通信制高校を選んでください。

通信制高校を卒業するには、スクーリング(対面授業)への参加が必須

通信制高校を卒業するには、スクーリング(対面授業)への参加が必須

全日制高校では1年間を通して学ぶことで単位を取得できます。一方、通信制高校はレポート、スクーリング、テストによって単位を取得できます。レポートは教科書に応じた問題集で、スクーリングとは対面授業のことです。スクーリングは日数でいうと年20日程度の登校が必要です。スクーリングの一部をネット学習に振り替えてスクーリング日数を短縮している学校もあり、年間で4~5日ほど合宿型の集中スクーリングを行う学校がこのパターンです。

通信制高校のキャンパスや学習センター、サポート校では先生がレポート内容について教えてくれ、スクーリング会場は普段通っているキャンパスや学習センターの他、別の指定会場で行われる場合もあります。

スクーリングにはどのようなパターンがあるのか知っておこう

スクーリング方法は学校ごとに異なります。代表的なものは以下の3つです。

  • ①A高校の場合:いつも通っている校舎がスクーリング会場

    いつも通っているキャンパスや学習センターがスクーリング会場になっている場合は、週1日程度通うことで、必要な時間数の対面授業を受けることができます。週1日程度は登校する必要があるため、通学できないと単位が取れません。

  • ②B高校の場合:キャンパス以外の指定会場

    指定地域のスクーリング会場に通う場合は、月に数回程度通って必要な時間数の対面授業を受けることができます。普段のキャンパスや学習センターから1時間以内で通える場所が指定されることが多いですが、場所を借りている都合上、先生が指定日にしかおらず、指定日に指定会場へ行かないと単位が取れません。

  • ③C高校の場合:合宿型の集中スクーリング

    ネット学習などを活用した減免制度を使い、年4日の集中スクーリングでスクーリング規定を満たすことができます。遠方で行われる場合も多いですが、日程には自由が利く場合もあります。ただ、飛行機で移動して知らない場所で4~5日過ごす必要があり、できない場合は単位が取れません。一人での移動や知らない生徒との共同生活に抵抗があるとハードルは高くなります。

また、普段はサポート校に通っている場合も通信制高校のスクーリングには必ず参加しなければなりません。サポート校はあくまでも学習のサポートや専門教育について学ぶ場所なので、スクーリング方法をはじめ単位に関することは通信制高校に確認しましょう。

万が一に備えた2ステップで、自分に合った通信制高校を選ぼう

万が一に備えた2ステップで、自分に合った通信制高校を選ぼう

スクーリングは学校ごとに異なるため、通信制高校を検討する際はスクーリングの仕組みや会場を必ず確認しましょう。これは通信制高校選びの「ステップ1」です。実際、週1日なら通学できると思って入学したにも関わらず、なかなか学校に馴染めず転校を余儀なくされるケースもあるので、入学前にきちんとチェックしてください。

「ステップ2」は、登校できなくなった場合でも在籍し続けられる学校を選ぶことです。通信制高校にはネット学習をベースにオプションで通学コースを選べる学校もあります。そのような学校なら、登校できなければオプションを外すだけでOK。わざわざ転校しなくても3年間で卒業できます。どうしてもやりたいことがあれば話は別ですが、そうでなければ継続できなかった時のことも考えておきましょう。

家から近い学校なら通学しやすいはず……安易な選択は生徒を苦しめるだけ

家から近い学校なら通学しやすいはず……安易な選択は生徒を苦しめるだけ

「毎日は無理でも週1~3日なら登校できるはずだ」と考える保護者は多いです。しかし、中学時代に不登校だった生徒が高校生になったからと言って急に人が変わったように通学しはじめる…ということはありません。もう一度学校に通い、登校日数を増やしていくにはやはり適切なサポートと時間が必要です。たとえ週1日の登校であっても、曜日や時間を指定されると自由登校とは言えず、生徒は全日制高校のような強制力を感じてしまい学校から足が遠ざかってしまいます。週1日の登校でOKと言われても、「曜日は決まっているのか」「朝から登校するのか」など、自由度の高さを確認しておいてください。

また、「通学するなら家から近い学校が良いだろう」と安易に最寄りの通信制高校やサポート校を選ぶのもNGです。学習方法、スクーリング、校則、雰囲気などは学校ごとに違います。だからこそ、週1日なら登校できる、家から近い方が登校しやすいと安易に考えず、本当に自分に合った学校を見つけてください。

柳澤 孝史
通信制高校

ブロードメディア株式会社 ルネサンス高校グループ

入学相談 生徒相談 部長

柳澤 孝史

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