自然の中で成功体験を得る合宿型集中スクーリングの良さ

PICKUP 通信制高校 スクーリング

自然の中で行われる合宿型集中スクーリングの良さは成功体験が得られることです。合宿型ゆえに他の生徒と半強制的にコミュニケーションを図ることになりますが、知らない生徒と話せた、仲良くなれた、スクーリングを楽しめた、という一つひとつの出来事が成功体験になっていきます。また、自然の中で木を伐り、山をキレイにするような社会貢献を経験し、成功体験を得ることは将来につながる成長も促します。不安もあるでしょうが、自然の中で過ごす集中スクーリングに行きたくなるお話を鹿島山北高等学校の松尾先生に伺いました。

集中スクーリングではしっかり授業を行い、夜はみんなで食事やゲーム

集中スクーリングではしっかり授業を行い、夜はみんなで食事やゲーム

通信制高校を卒業するにはスクーリングと呼ばれる対面授業に年間で20日程度参加しなければなりません。ただ、20日間でこなす内容を短期間にギュッと詰め込み、3~4日の合宿スタイルでスクーリングを行っている通信制高校もあります。

例えば、鹿島山北高等学校の場合は近くの駅に朝10時に集合。そこからスクールバスで学校に移動します。11時からホームルームやレクリエーションを行い、その後授業が開始。授業終了後、みんなで一緒に夕食を摂ります。夜は自由時間ですが、宿のロビーに集まってみんなでおしゃべりやボードゲームを楽しむ生徒がほとんど。そして23時頃に就寝します。翌日は宿で朝食を摂ってから再び学校に移動して授業。合宿型の集中スクーリングでは大体このような流れで3泊4日のスケジュールをこなしていきます。

初対面の生徒と話さざるを得ない空間。非日常が成功体験を生む

初対面の生徒と話さざるを得ない空間。非日常が成功体験を生む

知らない生徒と一緒に授業を受けることに不安や緊張を覚える人もいると思います。しかし、冒頭のレクリエーションで自己紹介を行い、最初の授業は体育でチーム戦を行うなど、生徒同士や生徒と教員の間で自然とコミュニケーションが生まれる状況をつくっているので安心してください。

初対面で寝食を共にすることに抵抗を感じるかもしれませんが、鹿島山北高等学校では宿の部屋割りは生徒自身が決めています。合宿型の集中スクーリングは全日制高校における修学旅行のようなものです。慣れ親しんだ環境から一時的に隔離され、初対面の生徒ともコミュニケーションを取らなければならない状況に半ば強制的に追いやられます。ただ、そのような非日常的な空間だからこそ、「初対面の生徒と話せた」「仲良くなれた」「スクーリングを楽しめた」という一つひとつの出来事が成功体験につながっていきます。

通信制高校には不登校を経験している生徒が多いため、どの生徒も優しく、少しずつスクーリングに慣れていけるのが魅力です。学校主導の宿泊行事を経験できるのは高校生活が最後。体験授業では木を切って倒す林業やカヌーなどに挑戦し、自然の中で全力を出す濃密な時間を楽しんでください。

目的があればどんなことも楽しい。それを知るための4日間

目的があればどんなことも楽しい。それを知るための4日間

スマホの影響なのか、以前に比べると最近の生徒は体力が低下しています。そして、通信制高校に通う生徒は成功体験も乏しい場合が多いです。自然の中で過ごす合宿型の集中スクーリングでは、非日常的な空間に身を置いてさまざまな体験授業に挑むことでこの2つの課題にアプローチできます。

普通の高校生活を送っていれば木を切る機会などなかなかないでしょう。木を切るだけでも成功体験の1つですし、自分なりの目的を持っていればどんなことも楽しいのだと気付けます。また、木を切ることで山も元気になり、山をキレイにしたという社会貢献も成功体験となります。自然の中で、身体を使って、成功体験を得られれば、生徒にとって忘れられない経験となるでしょう。

生徒の多様性に富んでいる通信制高校では、教員はどのような生徒も楽しめるよう工夫を凝らすなど取り組んでいます。ただ、生徒自身が自分から楽しもうと思ってスクーリングに来てくれれば、たった4日間のスクーリングがきっと今後の人生にポジティブな影響を与えてくれるはずです。

松尾 洋佑
通信制高校

鹿島山北高等学校

教頭、カウンセラー

松尾 洋佑