通信制高校のレポートの疑問を徹底解説

PICKUP 通信制高校 レポート

通信制高校の卒業要件の一つであるレポート。自習でレポートを勉強し、提出する必要があると聞くと、大変そうと不安になる人も多いかと思います。通信制高校のレポートが難しいのか簡単なのか、郵送だけではないパソコンや携帯、タブレットでの提出方法や提出期限はあるのか、親が手伝う必要があるのか、先生のサポートがあるのか、点数や返却の有無など、わからないことだらけのレポートについて、代々木グローバル高等学院の冨髙圭一さんに解説していただきました。

通信制高校の学習は、教科書に対応したレポート(問題集)が中心

通信制高校を卒業するには3つの要件を満たさなければなりません。それが、「3年間以上の在籍」「74単位の取得」「特別活動30単位時間」です。特別活動とはホームルームや学校行事(入学式、体育祭、文化祭など)、体験学習、クラブ活動のこと。これらの特別活動に3年間で30単位時間(1単位時間=50分)以上参加する必要があります。

通信制高校の学習は、教科書に対応した問題集(レポート)が中心

3つの卒業要件のうち、入学時からきちんと知っておくべきなのは単位の取得についてです。単位は、レポート→スクーリング→テストを行うことで取得していきますが、学習のメインとなるのがレポートです。レポートとは教科書に対応した問題集で、自宅で勉強するための内容がまとまっています。紙、パソコン、タブレットなど学習形態は問わないので、少しずつ進めながら卒業を目指しましょう。

レポートは教科書を見ながら解いてもOK。まずは得意な教科からはじめよう

74単位は3年間かけて取得していきます(例:1年で25単位、2年で25単位、3年で24単位など)。1年で24~25単位を取得する場合のレポート枚数が100枚ほどです。内容は社会系や情報系のレポートが多く、例えば日本史のレポートなら「Q:江戸幕府を開いたのは誰でしょう?」といった設問があり、「徳川家康」と記入すればOK。教科書を見ながら解いても良いので、集中して取り組めば所要時間は1枚1時間程度。レポートには提出期限があり、「1カ月ごと」「前期、後期」など学校によって異なりますが、やる気を出して取り組むことによって、短期間で終わらせることも可能です。

ただ、入学後に教科書とレポート100枚がドンッと送られると、その量にどうしてもやる気が萎えてしまう生徒がいます。そんな時は、嫌いな教科は一旦後回しにして、保健や体育など「学習しやすい、解きやすいレポート」から取り掛かってみましょう。「解いてみると意外に簡単!」と思えますし、レポートがスムーズに進むと余裕が生まれ、高校生活も楽しめます。

生徒へのプレッシャーは逆効果。保護者の役割は、まず見守ること

生徒へのプレッシャーは逆効果。保護者の役割は、まず見守ること

生徒が中学で不登校だった場合、「教科書を見ながら解けるといっても、学力に不安があり自分でレポートを進めるのは難しいかもしれない」と思っている保護者の方もいるでしょう。レポートの進捗については通信制高校やサポート校も管理しているので、なかなかレポートに取り掛かろうとしなくてもひとまずは生徒を見守ってください。くれぐれも「早くレポートを済ませろ」といったプレッシャーは掛けないようにしましょう。

ほとんどの通信制高校・サポート校では、未提出のレポートがあればまず本人に伝え、その後、保護者へ連絡します。また、期限に間に合わない可能性があれば登校してもらい、先生がフォローしながらレポートを作成してもらいます。ただ、期限ギリギリに仕上げるよりも普段から計画的にレポート作成を進めることで自分のやりたいことを存分に楽しめますし、レポートとスクーリングの成果がテストの点数になって表れればテスト結果が成功体験となり、自信につながるでしょう。

冨髙 圭一
サポート校

代々木グローバル高等学院

副校長

冨髙 圭一

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