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心身の不安を抱える中高生は、少なからず医師やカウンセラーの診断の受けているケースが多いと思います。
前向きな効果が得られず、意味がないと思う方もいるかもしれませんが、子どもが抱える問題を改善していくためには医師、カウンセラー、先生(教育者)の違いを認識し、学校という現場で解決するのはあくまで先生(教育者)だと理解しましょう。
通信制高校にはカウンセラー資格を持つ先生が多く在籍していますが、カウンセラーの有無や人数ではなく、各学校が生徒とどのように向き合っているかを確かめてください。
カウンセラーは生徒が抱える問題の相談に乗り、アドバイスを行う存在です。小・中学校や全日制高校では文部科学省の指導によりカウンセラーが在籍するケースが増えていますが、1校につき1名が常駐しているわけではなく、地域の複数の学校を担当している場合もあります。
一方、通信制高校では生徒を手厚くサポートするためにカウンセラーが常駐している場合がほとんど。本来はカウンセラーが生徒本人と対話し、生徒の周りの環境に働きかけるソーシャルワーカーが病院や家庭との調整役を担いながら生徒を支える形が理想ですが、人手不足により現状ではそこまで手厚い体制を構築するのはなかなか難しいです。
ただ、生徒にとっては味方になってくれ、悩みに寄り添い解決してくれる大人が居ることが重要であり、教育者であればカウンセラーは持っていて当たり前の資格だと思っています。
カウンセラーの役割として多くの人が勘違いをしているのが、「問題を解決してくれる人」と思っていることです。
カウンセラーは相談に乗り助言を行いますが、医療行為者でも教育者でもありません。子どもの特性を知るWISC-Ⅳという検査においても、医師・カウンセラー・教育者では見方が異なります。
医師の診断から学校という現場でどう解決していくか考えるのが教育者の仕事です。生徒がそれぞれの職種の違いを理解するのは難しいかもしれませんが、保護者は違いを理解した上でどのように利用するかを知っておくべきでしょう。
個別相談会などでは、「カウンセラーの資格をもつ先生はいますか?」とよく質問されます。確かに通信制高校にはカウンセラーの資格を持つ教員は大勢いますが、大切なのは有資格者の人数ではなく、その学校が生徒たちの抱える諸問題を解決できるかどうかです。
生徒の心身に問題がある場合、解決に導くための考え方は学校によって大きく違います。入学時には各学校がどう生徒と向き合っているのかしっかり確認し、納得できる学校を選んでください。
興学社学園グループ / 通信制高校部門「興学社高等学院」/ 放課後等デイサービス・児童発達支援「わくわくクラブ」
校長 特別支援教育コーディネーター 行動心理士
佐藤 純平