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中高生の留学は英語力向上や異文化理解を深めるだけではなく、親元を離れて海外で自活を促せることが大きなメリットです。不登校でも、自分のことを誰も知らない環境で学校生活をゼロからやり直すことができます。
長期休暇中しか留学できない全日制高校と比べると、通信制高校やサポート校は時間の制約が少なく、留学しやすい環境です。通信制高校やサポート校の留学プログラム、オススメの国や費用について代々木グローバル高等学院の鶴巻先生にお話しを伺いました。
「中学生や高校生のうちに留学に行きたい」と考えている生徒は多く、10代で留学を経験すると英語力の向上や異文化理解など社会に出てからも役立つことを身に付けられます。特に、親元を離れて海外で自活を促せる点は中高生の留学における大きなメリットです。スーパーやコンビニで買い物をするにしても、日本なら会話せずに欲しい商品を買えます。しかし、海外では買い方にさえ悩んでしまいます。何を、どう買うか考える。このような経験が自活を促し、上手く買えた成功体験は自信となり、主体性も培われていきます。
留学のハードルとしては、①時間の制約と②年齢制限が挙げられます。
登校日数の関係から全日制の学校では長期休暇中しか留学できませんし、15歳以下は学生寮で暮らせずホームステイが必須となります。ただ、そこまで高いハードルではないので不登校の中高生にも留学はオススメです。自分のことを誰も知らない環境で学校生活をゼロからやり直すことができますし、留学先で新たに興味をもてるものが見つかり、道が開ける可能性もあります。「目的がないのに留学に行ってはダメですか?」と聞かれることがありますが、不登校で学校を欠席し続けるくらいなら思い切って留学に行くべきでしょう。
通信制高校やサポート校にも留学を提供している学校があります。ただ、英語力によって留学先が変わるなど、留学に対する取り組みやコース設定は学校によって異なります。各学校の留学プログラムの内容と生徒のやりたいことや目的が合致しているかしっかり確認しておきましょう。
2~3週間のサマープログラムなど多くの生徒がお試し感覚で行っています。世界中から同年代の生徒が集まり、午前中はみんなで英語のレッスンを受け、午後はアクティビティを楽しみます。現地のスーパーで買い物してBBQをしたり、軍隊経験のようなハードなオリエンテーションに挑んだり、海外で何かしらの経験を積むことを重視した留学です。
語学留学は年齢や学年に関係なく、一人ひとりの英語力に応じてクラス分けされます。そのため、英語初心者でも安心してチャレンジできる留学コースです。学校やコースにより授業時間は異なりますが、9時~14時くらいまでが一般的です。授業はすべて英語で行われ、放課後や土日はみんなで遊んだりアクティビティに興じています。3カ月以上の語学留学であれば語学力をはじめ適応力も高まり、効果的な留学となるでしょう。
正規・高校留学は「英語で現地高校生と同様、リアルな高校生活を送る」ことが目的です。公立/私立や期間などは留学する国によって異なりますが、ホームステイや寮生活を送りながら現地の人とふれ合い、異文化交流を深めることができます。また、交換留学は国際交流ビザを取得して1年間留学するアメリカ限定のプログラムです。
ダンスや美容など自分の好きなことを集中的に学びたい生徒向けの留学コースです。ニューヨークへのダンス留学など行先は欧米が中心になります。
高卒資格を取った上で海外大学へ留学します。対応している通信制高校やサポート校は少なく、相応の英語スコアが求められるため難易度は高いです。
基本的にはこれらの留学コースの中から、希望する地域や期間、費用などを考慮して選択します。
お試し感覚で行うトライアル留学はカナダ、イギリス、アメリカ(ハワイ含む)などがオススメです。アクティビティなどプログラム内容を見て興味のあるものに参加するのが良いでしょう。カリフォルニア州のディズニーランドに行けるサマープログラムは特に生徒の人気が高いです。また、短期の語学留学にはカナダやニュージーランドが適しています。英語のレベルが低くても行けますし、アジア人の留学生が多いため友達もできやすいというメリットもあります。
英語を集中的に学びたいならカナダが良いでしょう。カナダは移民が多い国なのでスタンダードな英語が話されており、イギリス英語にもアメリカ英語にも寄りすぎていません。アメリカのニュースキャスターもカナダで発音の練習を行うほどです。治安も良く、バンクーバーやトロントなどの都市では高校生一人でも公共交通機関を利用しやすいです。一方、アメリカは治安への懸念からホストファミリーに車で送り迎えを頼まなければならず、移動に不便を感じるかもしれません。より厳しい環境を求めているならイギリスやマルタを勧めています。欧州圏は日本人が少ないためしっかり勉強できる環境が整っています。
保護者にとっては留学の費用も気になるところです。費用の高い国から並べると、イギリス、アメリカ、オーストラリア、カナダ、ニュージーランドという順になります。ポンドが高いためイギリス留学にかかる費用が断トツで高く、その他の国は為替の影響で順番は変動します。ニュージーランドも現在では安い国と言えなくなってきました。ちなみに、3カ月カナダへ留学する場合は学費と滞在費で120万~130万円かかり、航空券とお小遣いを加えるとトータルで160万~180万円ほどかかります。2週間の留学では40万~60万円、1年の長期留学では280万~360万円ほど。短期になるほど割高になります。ただ、学費で国を選ぶのではなく、目的から逆算して選んでください。
カリキュラムの自由度が高く、登校日数も少なくて済む通信制高校やサポート校は留学との相性が良い学校です。留学すれば主体性が身に付き、大学進学を目指すようになる生徒がほとんど。英語力を活かせば受験でも総合型選抜で有利になります。若いうちに留学した方が英語の吸収率も高いので、ぜひ積極的に留学を検討してください。