eスポーツに打ち込める通信制高校の魅力

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いまの子どもたちにとって、ゲームはコミュニケーションツールになっている

いまの子どもたちにとって、ゲームはコミュニケーションツールになっている

eスポーツが世界的な盛り上がりを見せる中、通信制高校でもeスポーツを学べる学校が増えています。しかし、生徒と保護者ではeスポーツに対する見方が異なり、「学校でゲームを学ぶの?」と懐疑的な保護者は少なくありません。これは世代間ギャップによるところが大きく、親世代にとってゲームとは『ドラゴンクエスト』のように一人で遊ぶものでした。友人と対戦する際も『ウイニングイレブン』など基本的に1対1だったはずです。

ところが、いまの子どもたちが熱中している『フォートナイト』は最大100名で遊べます。チャット機能もついており、LINEやTwitterのDMではなくゲーム内で連絡を取り合っています。一人で黙々とプレイする従来の遊び方とは全く違い、ゲームが友人とのコミュニケーションツールになっているのです。家で子どもがゲームする姿は、おそらく画面に向かってポチポチとコントローラーを操作しているだけに見えるはず。でも、画面の先では多くの人とつながっています。

私たちがeスポーツコースを立ち上げた時、保護者から批判的なご意見も多くありましたが、少しずつ認知が拡大してきています。画面の先にどのような世界が広がっているのか理解する保護者は着実に増えていると感じています。

通信制高校のeスポーツコースには2つのタイプがある

通信制高校のeスポーツコースには2つのタイプがある

生徒と保護者に知っておいてほしいことがあります。それは、本気でプロのプレイヤーをめざしている学校と、あくまでも社会性を身に付ける手段としてeスポーツを活用している学校があることです。ルネサンス高校グループは後者で、eスポーツを教材としてとらえキャリア教育まで行っています。

中学で不登校だった生徒は、高校に入学しても校舎や教室に入れない場合があります。なんとか教室に入れても、同級生の隣でプレイできない。一緒にゲームをすることすらプレッシャーを感じてしまう。そのため、最初の半年間は保護者を交えた個別面談を頻繁に行い、学校に慣れてもらうことを重視しています。アンケートを取る際も、生徒全員が教室に居るのに敢えてオンラインで集計するなど細やかに配慮しています。

黎明期だからこそ高校生の意見が求められ、自治体の町おこしにも参画できる

黎明期だからこそ高校生の意見が求められ、自治体の町おこしにも参画できる

学校に慣れeスポーツへの理解を深めたら、校内のeスポーツ大会や東京ゲームショーの出展ブースの運営にもチャレンジしてもらいます。プレイヤー以外の仕事に触れることでゲーム業界のさまざまな職業への興味を呼び起こすためです。

最近は若い人たちを呼び込むイベントとしてeスポーツに着目する自治体も多く、自治体から「町おこしを手伝ってほしい」という依頼も学校にきます。大会運営の経験を活かし、生徒が主体となり自治体のeスポーツイベントを企画したり、自治体の担当者とやり取りすることで学校以外の人と交流し、コミュニケーション力や社会性を育んでいます。このような経験ができるのはeスポーツがまだ黎明期で、大人が高校生の意見を求めているからです。高校生のうちから多様な経験を積むことで、生徒は卒業後の進路についても真剣に考えるようになります。

通学スタイルや不登校ケアから自分に合ったeスポーツコースを見つけよう

通学スタイルや不登校ケアから自分に合ったeスポーツコースを見つけよう

eスポーツコースの卒業生は専門学校や大学への進学が多いのが特徴です。eスポーツの専門学校にはプロゲーマーをめざす学科だけではなく、イベントの企画・運営やチームマネジメントを学べる学科もあります。実践的なスキルを身に付ければ、将来の選択肢もより具体的になるでしょう。

最後に、本気でプロゲーマーをめざす学校と社会性を身に付けることに重点を置く学校の見分け方ですが、これは通学スタイルや不登校のケアから推測できます。プロゲーマーになるなら毎日学校で練習する必要があるので週5日登校が前提です。一方、社会性を重視する学校は生徒の体調を考慮して登校日数を柔軟に設定し、不登校ケアも手厚く行っています。詳細は学校ごとに異なるので個別相談会などに参加して直接学校に確認し、自分に合うeスポーツコースを見つけてください!

松崎 寛
通信制高校

ブロードメディア株式会社 ルネサンス高校グループ

シニアマネージャー eスポーツ担当 地歴・公民教諭

松崎 寛