高校中退を経験した先生が語る、後悔しないコツ

高校中退を経験した先生が語る、後悔しないコツ

PICKUP 高校高校中退

就職の面接で高校の退学理由を聞かれたり、成功者の体験談などを聞くと、高校を中退したことを後悔する人がいるかもしれません。さまざまな現実の壁にぶつかった時、どうすればよいのか。また、子供が引きこもりにならないか心配する保護者の方々はどのように考えるべきなのか。ご自身も高校中退を経験し、通信制高校へ編入して卒業、いまは鹿島山北高等学校で教員をされている日暮先生に心が楽になるアドバイスを伺いました。

「高校に通わないといけない」その想いが強いと中退時の悩みも深まる

「高校に通わないといけない」その想いが強いと中退時の悩みも深まる

高校中退に悩んでいるのは10代後半が多いように感じています。まだ生活基盤ができておらず、先行きが見えない状況に親子ともども不安になっている。高校中退の理由としては金銭的な問題、学力不足、心身や人間関係のトラブルなどさまざまですが、特に心身や人間関係の場合はどうして良いのかわからず悩みが深いように感じられます。

高校中退における悩みの根源を探っていくと、多くの人が「高校には必ず行かなければならない」と思っていることがわかります。その一般的なレールに乗れなかったことで悩んでしまう。また、ほとんどの生徒は高校に所属したい欲求もあるようです。でも、「高校」という大きな枠で捉えるならば所属するのは通信制高校でも良いのではないでしょうか。

中退の悩みから脱するには親の協力が不可欠です。過保護であったり、子どもに決断させなかったりすると子どもはSOSを出せません。相談できる場所が少ないのも事実ですが、通信制高校にはいろいろなタイプの学校があるので、もう一度高校に通いたいと思っているのなら通信制学校への転入・編入を検討し、学校に相談してみてください。

16歳で高校中退。サッカーコーチと渡米を経て、18歳で通信制高校に編入

16歳で高校中退。サッカーコーチと渡米を経て、18歳で通信制高校に編入

個人的な話をすると、私は16歳の時に全日制高校を辞めました。退学後は子どもの頃に所属していたサッカーチームで父親がコーチをしていたので手伝ったり、姉が暮らしていたアメリカに渡ったりしながら約1年半を過ごしました。ある日、クラブチームのコーチが都内にある通信制高校を紹介してくれ、18歳で編入。20歳で高校を卒業しました。

通信制高校の担当者に会ったのは、なんとなく「高校は卒業しておいた方が良いんだろうな」とは思っていたからです。ただ、当時は通信制高校がどのような場所なのかまったく知りませんでした。初めて通信制高校について説明され、ネットで授業を受けられるシステムを聞いた時は「こんなに自由なスタイルで学べるのか」と感銘を受けました。そして、ここでならサッカーのコーチを続けながら高卒資格が取れると思い、入学を決めました。

親からは「高校には行っても行かなくても良いが、行かないなら行かないなりに自分で責任を持つように」と言われ、その言葉で私自身は楽な気持ちになりました。親の理解にはいまもとても感謝しています。

高校を辞めるのは大きな決断。その決断は新たな可能性を生んでいる

高校を辞めるのは大きな決断。その決断は新たな可能性を生んでいる

学校に行かなかった1年半は私の中で非常に大きく、10代のうちに自由な時間を過ごすのはとても良い経験だったと思います。中退という言葉にはネガティブなイメージがあるでしょうが、「また学校に行かなきゃいけない」と考えるより、「この時間をどのように使おうか」とポジティブに考えましょう。高校を辞めたからと言って人生は終わりません。むしろ、早いうちに大きな挫折を経験すると少々の経験では動じなくなり、その後の人生が生きやすくなります。

私の場合、中退後に渡米やサッカーコーチの経験をしていたおかげで大学の推薦入試にも合格できました。おそらく、全日制高校を中退せず、そのまま受験勉強をしていても合格できなかったでしょうし、推薦入試でも前述の経験がないので、面接での自己アピールも満足にできずに終わっていたでしょう。それに、いまは通信制高校の生徒にも「高校を中退しているけど普通に大学にも合格できるし、普通に就職もできているよ」と語れます。確かに高卒資格は取っておいた方が便利ですが、やり直す機会はいくらでも用意されています。もう一度高校に行こうか悩んでいるなら、やりたいことをやってから編入することを考えても良いかもしれません。やりたいことがないけど不安なら、ぜひ通信制高校に相談してください。

最後に、子どもが高校を中退したとしても、保護者は焦らず、広い視野をもって子どもの人生を考えてあげてください。全日制高校を辞めたから、通信制高校に入ったからと言って、何も終わりません。学校を辞めるというのはすごく大きな決断です。その決断により、新たに開く可能性の扉もあるはずです。

日暮竜哉(鹿島山北高等学校)
通信制高校

鹿島山北高等学校

学校職員

日暮 竜哉

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