中学校への復学、高校進学を見据えたフリースクールの選び方

PICKUP フリースクール

中学生の不登校は、学校への不信感、人間関係、家庭環境などさまざまな問題が絡み合っています。当事者である家族だけで解決するのは難しく、現在はフリースクールなど第三者に介入・支援してもらい、問題解決へつなげる方法が主流です。フリースクールは中学校の代わりに通う場所なので、「居場所づくり」だけではなく、中学校で身に付けるべき「学力」や「社会性」を養えるかまで考慮して検討しましょう。居場所ができれば行動力も生まれ、学校イベントの参加や別室登校を経て、本格的な復学や高校進学への道が開けてきます。

不登校は家族だけで解決しようとせず、フリースクールを活用しよう

中学校における不登校生徒は2017年以降増え続けています。文科省は「年間30日以上の欠席」を不登校と定義していますが、不登校生徒の約55%は欠席日数が90日以上にのぼっており、この数字からも早期解決の難しさが窺い知れます。

不登校は家族だけで解決しようとせず、フリースクールを活用しよう

不登校の解決が難しいのは、ある特定の問題だけが原因ではないからです。
学校への不信感、友人やクラスメイトとの人間関係、家庭環境などさまざまな問題が絡み合っており、それらを当事者である家族だけで紐解くのはかなり困難です。
思春期ゆえに性別による違いも顕著に表れ、例えば男子生徒は母親に対して反発することが多い一方、女子生徒は母親と友だち親子のような関係になり、「今日は学校に行きたくない」という言葉を気軽に了承した結果、それが何日も続き、結果的に不登校になってしまったという例もあります。
ここまでくると本人同士で解決するのは不可能です。そこで、近年はフリースクールのような第三者に介入してもらい、不登校を解決する方法が主流になっています。

「居場所づくり」と「中学校との連携」を考慮し、フリースクールを検討

「居場所づくり」と「中学校との連携」を考慮し、フリースクールを検討

フリースクールを選ぶ上で最も重視するべきなのは、そこが生徒にとって新しい「居場所」となるかどうかです。自分と同じような想いを抱える生徒や親身に寄り添ってくれる人たちと接することで居心地の良さを感じるようになれば次第に行動力も生まれ、別室教室への登校を試みたり、学校のイベントに参加したり、不登校解決へのステップを踏むことができます。
ただし、いくら居心地が良くても最終的な目標は「中学校への復学」や「高校進学」であることを忘れてはいけません。

別室教室の登校や復学時には中学校との密な連携は不可欠ですし、高校進学を見据えるならばフリースクールへ通っているのに中学校を欠席扱いにされては調査書に影響します。中学校との調整力については外部からはなかなか見えにくい部分なので、活動実績や行政との関わりなどをウェブサイトで確認してください。

勉強のサポートがあり、社会性を育めれば不登校は解決する

勉強のサポートがあり、社会性を育めれば不登校は解決する

フリースクールは中学校の代わりに通う場所ではあるものの、開設するのに資格は必要ありません。そのため、「本当に子どもを預けて良いのだろうか」と不安を覚える保護者の方もいると思います。

安心して通えるフリースクールの指標となるのは、やはり復学や進学など「居場所ができた後のプラン」まで考えてくれているかどうかです。
不登校が長期化している場合、復学しても勉強についていけるか生徒も保護者も心配になるはず。そのため、フリースクールで勉強面のサポートを行っているか、生徒によっては小学校レベルから学び直しができるかも事前に確認した方が良いでしょう。また、将来自立できる社会性を培うため、コミュニケーションを育める場所であるかも大切なポイントになります。
第三者の介入と支援があれば不登校は着実に改善します。居場所づくり、中学校との連携、勉強のサポート、この3点をベースにフリースクールを検討し、復学や進学へとつなげてください。

山下 祐典
サポート校

学研グループ・株式会社学研エル・スタッフィング 学研のサポート校WILL学園

統括責任者

山下 祐典