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同じ目線で、生徒の伴走者になる。

明聖高等学校中野キャンパス長 花澤悟史先生
明聖高等学校中野キャンパス長 花澤悟史先生

子どもが急に「もう学校へ行きたくない」と言い始めたら、どう対応するのがベストなのでしょうか。
会話の中で原因を探ったり、その原因を解決できる対処方法を考えたり、あるいはしばらくの間そっと一人にしてあげたり…

保護者にとってはまさに青天の霹靂。子どもとの接し方に迷う場面があると思います。

そこで、今回は普段から不登校になった子どもたちと接している通信制高校の先生にお話しを伺い、そのヒントをいただきました。

答えてくれたのは、今年4月に開校したばかりの『明聖高等学校 中野キャンパス』(本校:千葉県千葉市 2000年開校)でキャンパス長を務める、花澤先生です。

先生の言葉から、不登校になった子どもとのコミュニケーションの図り方を探っていきましょう。

子どもは“先生の視点”がキライ。

保護者の方は、ご自身が学生時代だった時のことを一度思い出してみてください。学校にはどんな先生がいましたか?
怖い先生もいれば優しい先生もいたと思います。もしかしたら、先生とすごく仲の良かった方もいるかもしれません。相談事には「こうした方がいいよ」と教えてくれたり。

実は、ここに1つ落とし穴があります。

怖い・優しいといった印象を問わず、学校の先生は基本的に「より良いルート」に子どもたちを導こうとするんです。

教職である以上それは当然のことだと思いますが、不登校になる多くの生徒たちはその「先生特有の指導」を嫌います。

子どもたちの成長を“山登り”に例えてみましょう。

子どもたちは麓から山を見上げ、「この山を登るの?」「登れるかなー」と話す中、開始の合図が鳴り、一斉に山を登りはじめる。中にはいきなり走り出すような子もいて、少しずつ登った距離に差が出るはずです。

そんな生徒たちを、先生は山の頂上から見ています。そして、正規の登山ルートを外れそうな子がいれば「そっちは危ないからこっちの道を歩きなさい」と指導し、言うことを聞かなければ怒りはじめる。

でも、みんなが最後まで正規ルートを登りきるわけじゃない。

途中まで登ってきて、ふと周りを見渡した時に正規ルートより安全な道があることに気付き、先生から怒られるのも気にせず一人で進んだり、そもそも山を登ろうとしなかったり。

いくら言っても聞かない子を目の当たりにすると、先生たちは指導を止めて目を背けてしまいます。「あの子は、ああいう子だから」と。

そういう生徒に必要なのは、“同じ目線の伴走者”です。

より安全な道を進みたいと言う生徒の横で「確かにこっちの方が安全そうだから、こっちに行こうよ」と賛成してあげる。または、ずっと麓にいる子に「きつそうだから帰る?」と提案する。その一言で、生徒の心はスッと楽になります。

「みんなと同じ道、同じペースでなくても良い」と肯定してあげることが大切なんです。

こうした花澤先生の考えは、長年の経験により培われたもの。
昔、「先生特有の指導」をしていた頃、同窓会でかつての教え子から「あの時はついていけなかった」と言われたそうです。そこで自身の指導法を振り返り、反省し、生徒の伴走者となることが大切なんだと気付きました。この経験談は同校の先生方にも伝えられ、同校では先生がカウンセラーの資格を取得し、生徒と同じ「下からの目線」でコミュニケーションを図っています。

花澤先生 大切なのは、波長と歩調。

大切なのは、波長と歩調。

子どもが不登校になると、保護者の方は理由を探り、どうにか解決したいと考えるはず。親として、「こうした方が良い」という意見もお持ちのはずです。
でも、状況や時期にもよりますが、まずは一旦、そっとしておいてあげてください。

子どもも「なんとかしたい」と思っています。それを先に親から言われると、先制パンチになってしまうんです。

そのため、子どもの波長に合わせながら、どんなことに苦しんでいるのかを感じ取ってほしいと思います。

中には、通信制高校に通いはじめても、また不登校になってしまう生徒もいます。「ここなら大丈夫だろう」と思って入学したのに、ついムリをしてしまって充電が切れてしまう。

でも、充電に3日かかるなら3日待ってあげましょう。充電が完了してから行動すれば良い。そう伝えて、生徒が「自分を理解してくれる人がいる」という安心感を得られるように心がけています。

学校でも家庭でも、大切なのは生徒の波長と歩調に合わせることではないでしょうか。

不登校になり通信制高校に通い、そこでも不登校になる、というケースがあります。そんな時、同校では「他の生徒が帰る時間帯に少しずつ登校してみよう」と夕方の通学を勧めるなど、さまざまな形でフォローしているそうです。同校では相談会も随時行っているため、気になることがあればぜひ一度相談してみてください。

子どもが不登校になると、親としての悩みも深まると思います。『明聖高校 中野キャンパス』ではそんな親の不安を解消するため、月に一度校内で『BAR HANAZAWA』を開いています。
これは、花澤先生や担任の先生が保護者の方々にお酒を振る舞い、「夜の保護者会」をする、というもの。お互いの悩みを共有することで親同士の連帯感を高め、自宅では子どもとのコミュニケーションを図るきっかけもつくっています。

この『BAR HANAZAWA』の話を親から聞いた生徒が、「親ばっかりずるい。夜の生徒会も開いてほしい」と花澤先生に打診してきたそうです。

お酒の代わりにジュースを振る舞うことで先生も承諾。その後『BAR HANAZAWA ~夜の生徒会~』も開催されました。

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