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不登校生の高校進学で大切なこと

木村先生
インタビュー対象:不登校生を支援する『ぼちぼちの会』木村先生

九州最大の人口を誇る福岡県では、「通信制高校」に対してネガティブなイメージが長らく根付いていました。

もともと全日制の公立高校が多く、少子化により学校の統廃合が進んだ結果、生徒数を確保するために公立・私立を問わず大学受験対策に特化した特進クラスが続々と誕生。勉強についていけずドロップアウトする生徒が続出したのです。

2000年頃には、高校の中途退学者が年間で5,588名にも達し、全国ワーストという不名誉な記録を残すことになってしまいました。

当時、まだ数校しかなかった私立の通信制高校はそうしたドロップアウトした生徒たちの受け皿となりましたが、この経緯から「通信制高校=どこにも通えなかった生徒が行く高校」というイメージが定着してしまいます。

ただ、その頃すでに学校に居場所を持てず不登校となる生徒は年々増えていました。

不登校になった生徒たちに、なんとか次の進路を示したい――そんな思いから、この状況を変えようと立ち上がったのが、約40年にわたり、福岡市の公立中学校で教鞭をとられた木村 素也先生です。

現在も不登校生を支援する「ぼちぼちの会」で活動されている木村先生に、福岡県の不登校問題についてお話を伺いました。

──これまで福岡県の不登校問題に対して、どのような取り組みをされてきたのですか?

不登校は学校に居場所をもてない生徒だけでなく、保護者もまた大きな不安や悩みを抱えています。

「子供を甘やかしている」「育て方を間違った」という周囲の言葉に心を痛め、子供のことをわかってやれないと自責の念を感じるのです。そして、子供はそんな保護者の姿を見て、さらに自分を追い込んでしまう。

この悪循環を断ち切るために、2000年に保護者同士が悩みを共有する場所として保護者の会の活動を始めました。

そこから「子供たちの進路情報を得よう」ということから、通信制高校へ学校訪問をするようになりました。

最初は生徒や保護者を連れて1日に2~3校をまわっていましたが、少しずつ共感してくれる人の輪が広がり、複数の学校による合同説明会へと発展。その後、通信制高校の本来の役割を発信していくために全国に先駆けて通信制高校の団体『福岡県通信制高等学校連絡協議会』設立へと連がりました。

──『ぼちぼちの会』を通してこれまで多くの保護者と接してきたと思いますが、

高校進学にあたり不登校の子供をもつ保護者が注意しなければならないことはありますか?

まず、進学するのは⽣徒⾃⾝であること。必ず本⼈の希望を最優先に考え、本人に「この学校に行く」と決断させてください。

「ここなら⾏けるから」という理由で進学すれば、壁に当たった時に簡単にやめてしまいます。でも、努⼒をして⼊れば課題に直⾯した時にそれを乗り越える⼒になる。「簡単に得られるモノは簡単に捨てる、努⼒をして⼿に入れたモノは⼤切にする」ということです。

不登校の場合、進学に関する情報が不⾜していることもあると思います。でも、決して他の⽣徒との⽐較や時間に追われての拙速な決断はせず、時間をかけて⽣徒⾃⾝が決めるように導いてください。

──⽣徒が卒業まで通えるよう、⾼校を選ぶ際に⼤切にすべきポイントはありますか?

⽣徒本⼈にとって、通う価値があること。それが⼀番大切です。

この学校で何をしたいのか、将来の⾃分にどう繋がっているのかをしっかり考え、学校を選んでほしいですね。

「ここなら通いやすいから」とか「通う⽇数が少ないから」というような理由では選ばないように。

不登校の子供ほど、いろいろなことを考えています。いろいろ考えすぎて脳が疲れて睡眠時間が長くなってしまうほどです。⼀⾒、何も考えずゲームばかりしているように⾒えても、実は⼝に出すことに⾃信がなかったり、その後の周囲の反応に対して不安を感じている場合がほとんどです。

将来について考えていないわけではないので、⼀度真剣に話し合ってみるのが良いと思います。その際は、できれば家族ではない第三者に立ち会ってもらった方が、より客観的なサポートができて話は早いです。

──通信制⾼校に進学した場合は、全⽇制では得られない「⾃由な時間」をどんな⾵に過ごしてほしいですか?

まさに「⾃由な時間」こそ通信制⾼校の魅⼒であり、進学したい理由の⼀つだと思いますが、この時間をどう使うかはその⼈次第です。

⾃分の傷を癒すことやしばしの休息に当てるのも良いでしょうし、将来に役⽴つことに使っても構いません。

それよりも、周囲のスピードや⽣活に左右されないことの方が大切です。他⼈に⾃分の⼈⽣を預けるのではなく、⾃分で決断する習慣をつけて社会に羽ばたく準備をしてほしいですね。

もし⾃分で決められない時は、他の⼈の話を⼗分聞いてください。その通りにするというのではなく、その⼈の考えを追体験してみるということです。⾃分の中で受け⼊れることができるなら検討に値すると思います。

本日は貴重なお話をありがとうございました。

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