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続:個性豊かな経歴を持つ先生だからこそ! 教科の概念を超えた学びのカタチ

2019年4月から本格稼働した京都造形芸術大学附属高校。前回の記事では個性豊かな先生たちを紹介しました。あれから半年、新たに着任した先生にインタビューをしてきました。

教科書にとらわれず、柔軟に数学的思考を楽しんでほしい

2019年7月末から着任された藤川先生は、数学を担当。
海外での生活やメーカーでお勤めだった経験を活かし、広い視野から生徒の学びに携わりたいとお話しくださいました。

【数学担当】藤川 怜子 先生

かつては公立中学校の教員として、中三生の進路指導も行っていました。しかし、「わたし自身が教育の現場しか知らないと、幅広い進路指導ができないのでは」と思ったんです。
一度教育の現場を離れ、別の分野での経験も経て、通信制高校で数学を教えるようになりました。

数学は、建築や製造など様々な場面で、生活を豊かにするためになくてはならない分野です。
社会に出てからも、仕事によっては数学を使うことで効率が上がったり、説得力のあるプレゼンが出来たりします。

高校数学はどんどん抽象度が上がるので、いかに具体的に落とし込んで、楽しんで学ぶことができるか、というのが授業の目指すところです。
教科書にとらわれず、例えば「結び目理論」や「一筆書き理論」のように、数字を使わず数学的思考を楽しむ学びも提供できればと思っています。

高校までの数学は「正解」を出すことの多い教科ですが、答えに辿り着くまでのアプローチは様々。授業ではグループ活動を行って、理解を深める時間も取っています。
数学の授業でのクラスメイトとの対話を通し、異なる考え方にも思いを馳せる、コミュニケーションの練習にもなるとうれしいですね。

運動が苦手でも、楽しめる体育

柔道選手として実業団に所属していた体育担当の森島先生は、体を動かすこと以外の、スポーツの魅力も授業で伝えたいとお話くださいました。

【体育担当】森島 直美 先生

柔道選手、また体育教師としてスポーツに携わってきましたが、本当はソファでゆっくり読書することが好きです。なので、運動が好きでない人の気持ちもよく分かります。
実際に、私自身はダンスがとても苦手で、どうしてもエアロビクス的な動きになってしまうんですね(笑)

でも、大切なのは技術の高さではなく楽しんでいるかどうか、だと思っています。技術的なうまさなど気にせず、失敗をも楽しむくらいの気持ちで体育に参加してもらえたら嬉しいです。

京都造形芸術大学附属高校の魅力は、何より授業の内容に力を入れていることだと思っています。体育の授業では体を動かすこと以外にも、興味・関心を広げられるような講義形式の授業も行います。例えば、オリンピックについて歴史的・芸術的な視点で考えてみたり、スポーツと経済の関係性をスポーツイベントから考えてみたり、といった内容です。スポーツに関するテーマについて話し合うことで、体育が苦手な生徒にも興味・関心をもってもらえるようにしたいと思っています。

体育館もあるので実技も交えながら、ゆくゆくは新しいスポーツを考案する、道具を作ってみる、という授業も考えています。

科学で学ぶ、みんなで学ぶ

理科担当の中谷先生は、自らの興味から漁師として漁船に乗っていたこともあるそうです。京都造形芸術大学附属高校の面白いところ、授業で大切にしたいことを語ってくださいました。

【生物担当】中谷 杏兵 先生

高校で生物を数年間教えた後に、水産の教員免許も取得しました。その際、実際に自分も漁業に従事してみようと、定置網漁船に乗って漁をしていたこともあります。漁師さんたちは天気図から数日後の天気を正確に当てる、といったことを日常茶飯事に行っていて、圧倒されることばかりでした。天気図を勉強しても天気を正確に予測する、ということまではなかなか出来ないので。

授業でも、知識を得ることより知識を使うことに重点を置きたいと思っています。例えば準備された実験方法で結果を確認するのではなく、どんな実験をすればその結果を他者に納得してもらえるか、その方法を生徒が自由に考える方がよほど勉強になると思うんです。

また、誰もが安心して参加できる授業づくりも大切にしたいと思っています。
課題には一人で取組んでも良いし、友達と協力しながら考えても良い。ただ、困っている人や分からないまま終わってしまう人が居ないよう、みんなが安心して自分らしく授業に参加できると良いと思っています。学校や授業から離れても、他者や自分を尊重する感覚というのは大切にして欲しいので、そうしたことも授業で身に付けてくれたら嬉しいです。

英語で広がる世界、その入口は無限

英語担当の長門先生は自身の経験から、英語で広がる世界を知って欲しいと思い、英語の学び方を敢えて限定していないそうです。

【英語担当】長門 拓郎 先生

大学時代に、留学生の友達と思うように会話ができず歯痒い思いをした経験があります。あのとき話せていたら、新たな価値観に出会っていたかも知れません。英語によって広がる世界があることを知った上で勉強していたらもっと良かったな、という思いから英語の教員になりました。

今はインターネットによって、その気になればいつでもどこでも英語の勉強ができるので、英語そのものを教えるのではなく、英語の先にある世界を見せて、一人ひとりの学びをサポートすることが私の役目だと思っています。

生徒によって興味・関心は様々なので教科書を起点にしたプロジェクト学習、英語絵本や洋楽などの素材を用いて、生徒の心に灯が灯るような授業にしたいと思っています。ゆっくりと時が来るのを待ちますよ(笑)

英語から他の教科に、もしくは他の教科から英語に興味・感心が広がるよう、放課後プロジェクトなども考えているので、どんどんチャレンジして欲しいです。高校時代は、色々な価値観を取り入れる柔軟性が十分にあります。自分の中にある興味、好きなものを大切に、人生を切り開いていけるような後押しをしたいと思っています。

授業を通じて社会に出る準備運動を

生徒自身から出てくる考えや興味を基に、生徒と一緒に授業を作っていきたい、という物理・地学担当の千川先生。ユニークな授業方法についてお話しくださいました。

【物理・地学担当】千川 慶史 先生

自宅学習と学校を動画でつなぐ“反転(はんてん)授業”を行っています。
◆反転授業の流れ
①自宅で動画(課題テーマ、考え方、答えの解説)を観る
②教室で考えてきた内容を話し合う

動画では、テーマについての考え方などを解説しますが、回を追うごとにそうしたヒントは減らしていきます。生徒が考える割合が徐々に増えるので、後半では個々の考えが出ることを期待しています。考察の深度に差が出るでしょうし、自分の回答を説明する、もしくは他の人の説明を聞くという場面も多くみられるはずです。

例えば、蟹とミジンコを生物学的に分類すると、同じ節足動物という答えになります。しかし一方で、蟹は食べ物であってミジンコはそうでない、という見方もできますね。その新たな見解に納得のいく説明があれば、既存のルールやシステムに取って代わる可能性もあり、将来は常識になるかも知れません。既存の答えを知っているか、ではなく皆が納得のいく内容になっているかどうか、ということを重視し考えることが、授業の最大の目的です。

社会に出れば、他者との議論を通して納得のいく答えを模索する、という流れが基本になります。理科のテーマで議論しながら、その流れを今から習慣にして欲しいと考えています。私の動画や授業の目的について生徒たちも興味を持ってくれたので、授業での議論を今からとても楽しみにしています。


答えを自分なりに考える、もしくは答えまでの道のりを自由に考える、こうした視野を広げる経験は、先生の導きや一緒に学ぶ仲間の存在があってこそ。既に持っている興味・関心事はもちろん、新たな価値観や楽しみ方に出会うことで、新しい自分にも出会えるかも知れませんね。

前回の記事はこちら
個性豊かな経歴を持つ先生だからこそ! 教科の概念を超えた学びのカタチ
 (https://go-highschool.com/contents/interview/1504.html)

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