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子どもの特性を分析し、「苦しい」を「自信」へ。

『興学社高等学院』は、発達に特性がある(またはその疑いがある)、苦手なことがあるなど、コミュニケーションや勉強の面で苦しい思いを抱えている子どもをフォローしている技能連携校です。

同校では、一人ひとりの特性を確実に把握し、適切な教育・指導を行っていくために、WISC-Ⅳ(ウィスク・フォー)検査を活用しているとのこと。それはどのようなものなのか、『興学社高等学院』の佐藤純平先生にお話を伺いました。

WISC-Ⅳ検査で得意・不得意を確実に把握

『興学社高等学院』佐藤純平先生

『興学社高等学院』では、発達凹凸と向き合っていたり、心が疲れてしまったり、また勉強が苦手だったりと、中学校までの学校生活でさまざまな悩みを抱えてきた子どもが自分に自信を持ち、自己肯定感を高めていくことを教育の中心に据えています。そのためにはまず、一人ひとりの特性を確実に把握することが重要です。そこで原則入学時に、全新入生にWISC-Ⅳ(ウィスク・フォー)検査を受けてもらっています。

これは子どもの得意・不得意を明らかにしていくための知能検査の一種で、教育への活用を見据えて作られているのが特徴です。この検査によって、全体的な認知能力(全検査IQ)に加え、「言語理解」「知覚推理」「ワーキングメモリー」「処理速度」という4つの指標が、各年齢の中でどれくらいの発達水準にあるかを把握することができます。

WISC-Ⅳは病院や公的機関でも活用されていますが、前述の4指標までしか結果が出ないことがほとんどです。しかし当校では、基本の4指標に加えて必ず、その下位検査の分析までを行っています。
それはなぜかというと、例えば「言語理解」のIQが80という、いわゆるグレーゾーンだったとしても、実はその中の「抽象的な概念の理解力」や「単語の量」だけは、ずば抜けて得意な場合もあるんですね。「80」という数値の中にも細かな得意・不得意が存在するので、「きっとこうだろうな」ではなく「こうだ」というところまで子どもの状態を正確に把握することで、適切な指導ができるようになるのです。

特性をもとに、個々人に合った指導を

『興学社高等学院』では、すべての教職員が生徒全員分のWISC-Ⅳ(ウィスク・フォー)検査結果を把握しています

検査結果は、まず保護者の方に報告した上で、それを本人にどこまで、どのように伝えるのかを相談しています。子どもによっては、結果を伝えることで自信を失ってしまう可能性もありますから。基本的には、本人には不得意面は伝えず、さりげない配慮の材料として活用することがほとんどです。逆に得意なことは積極的に伝えて、自信を持てるようにしています。また保護者の方に対しては、検査結果をふまえ、自宅でどのような声かけや工夫ができるかを、具体的にアドバイスさせていただいています。

学校では、すべての教職員が生徒全員分の検査結果を把握し、学校生活でのフォローに活かしています。例えば、耳から入る情報の記憶や想像が難しい生徒には、いくら口頭で説明をしても伝わりません。本人も一生懸命聞いているのに、全く覚えられない。これは、とても苦しいことです。しかし、この不得意面を事前に把握していれば、ゆっくり話したり、図や絵を用いたりと、いくらでも伝える方法はあるのです。実際、中学校までの先生より話しやすいと感じてくれている生徒が多いようです。

また、目の移動距離が長いと、極端に処理速度が落ちてしまうことが検査結果として出ているとします。その生徒は、板書を自分のノートに書き写す際、視線を黒板から手元に移すと、途端にどこを見ていたかわからなくなってしまいます。この場合は、書き写す物をプリントして手元に置いてあげることで、周りと同じ速度を保つことができますし、「ノートから目を離す前に、書いていたところに指を置く」というようなスキルを習慣化すれば、卒業後の生活にも活かしていくことができるのです。

もちろん得意なことについては、それを自分の強みとしていけるようサポートしていきます。当校には自由に選択できる91種類の授業があるので、例えば空間認識力が高い生徒には、球技やイラストを描く授業を提案したりもしますね。
得意・不得意の差が大きい場合、最初はどうしても苦手なことばかりを考えてしまいますが、それを克服することができれば、次は得意なことに目を向けることができます。当校ではそのような環境を用意して、次なるステップへとつなげています。

オープンキャンパスもトレーニングの時間に

『興学社高等学院』オープンキャンパスの様子

教育の根拠として有効活用しているWISC-Ⅳですが、検査から出るのはあくまで「数値」であり、目の前にいる生徒の「様子」を上回るものではないと考えています。ですから教職員は、「教える者こそ学ぶべき」という考えのもと、日々研修や勉強を重ね、観察眼を養い、対応・指導の仕方を学んでいます。

正直なところ、このような指導を行うには、高校3年間では時間が足りないと思っています。もっと時間があれば、もっとトレーニングができるのに、と。そこで当校では、オープンキャンパスへの参加を推奨しています。一度でなく、何度でも。なかには中学1年生から参加している子もいるんですよ。中高合わせての6年間は、十分な時間になります。

苦しい思いをしている子どもを持つ保護者の方は、きっと多くの不安を抱えていると思います。当校は、中学校までにいろいろなことがあった子どもが入学する場です。WISC-Ⅳと教職員のスキルを中心に、「全ては生徒のために」という想いのもと、子どもの苦しさを取り除いてあげるための教育を徹底しています。ぜひ一度、オープンキャンパスにお越しください。


「入学後にどんなケアや指導をし、どんな進路に送り出してくれるのか、いろいろな学校を見た上で見極めることが大切です」と話す佐藤先生。
その言葉から、『興学社高等学院』の確固たる信念を感じました。心強い先生方のいる学校は、お子さんにとっても保護者の方にとっても、安心の環境と言えるのではないでしょうか。

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